kotti
@kotti_witchii
2026年9月1日
“文学少女“と飢え渇く幽霊
竹岡美穂,
野村美月
読み終わった
今回のテーマは『嵐が丘』。本作では、ヒースクリフと2代目キャサリンと思われた二人は、実は親子だった。1代目キャサリンはヒースクリフだけを愛していながら、彼との子供を守るためにエドガーと結婚した。原作とは違う結末だった。
蛍は父親だと知りながら、激しく憎みながら、それでも蒼を愛していたのではないか、という描写がある。一方の蒼は、本当に蛍を憎んでいただけなのだろうか。彼が受けた衝撃は、自分が虐げてきた相手が娘だったと知ったことだけによるものだったのか。
どちらにせよ、私はこういう「愛憎」のようなものにはあまり共感できない。近親間の話なら尚更。
今回、再読していて一番印象に残ったのは、心葉くんの心情だった。
このシリーズの登場人物は、みんなどこか歪んでいる。その大小はさまざまだけれど、心葉くんもまた、自分の中に暗い部分を抱えている。学園で起こる事件を通して過去を思い出し、苦しみながら、自分自身のそれと向き合わざるを得なくなっていく。
目の前の光景や、人の言葉、表情をきっかけに過去がフラッシュバックしてしまう心葉くん。中学生の頃の私は、それをただ「キャラクターに起きていること」として読んでいた。でも、今は、何かをきっかけに突然過去に引き戻されることの辛さがわかる。もちろん心葉くんが経験したことは、私よりずっと壮絶だ。
彼の目の前には現在が続いているから、その場で持ち直したり、何でもないように取り繕ったりする。そんな彼を、「すごいな、強いな」と思う。
そう思えるくらいには、私も色々経験したのかしら。