
紅梅シュプレヒコール
@bear-jew
2026年9月2日

美しい夏
パヴェーゼ,
渡辺由利子,
関口英子
読み終わった
ファシズム期のイタリアを生き、齢41歳で夭逝した作家チェーザレ・パヴェーゼの代表作『美しい夏』。
光文社古典新訳文庫から発売されているのを発見し購入しました。
「あの頃はいつだって祝祭だった。」という一文から始まる主人公〈ルイーザ〉の追想。
16歳の時に彼女が出会ったモデルの〈アメーリア〉、そして画家の青年〈グイード〉らとの交流が躍動的に描かれていきます。
さて今作における一番の魅力は一体なにか。
それは、〈ルイーザ〉が経験する感情の揺れ動きを捉えた内面描写の妙ではないかと私は思います。
これほどまでに少女の存在をリアルに感じさせる描写を成しているのが、男性作家であることに驚きです。
「自尊心」と「大人への憧れ」を抱える少女が、ちょっとだけ大人になる中短編。
ページ数も少なくあっさり読めるおすすめの一冊です。

