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路傍のクロワッサン
路傍のクロワッサン
路傍のクロワッサン
@bear-jew
今年(2026年)に入って本をよく読む様になりました。 読書家と名乗るにはまだまだですが、いろいろ読んでいきたいなと思ってます。 遅読なのは悪しからず。
  • 2026年8月23日
    阿房列車
    阿房列車
    「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪に行ってこようと思う。」 天邪鬼爺さん百間先生が、国有鉄道の職員ヒマラヤ山系くんを随行させ繰り広げる無目的な紀行録をまとめた本書。 「酒を飲み過ぎてはいけない」と言っておきながら結局深酒してしまったり、「切符が取れなかったら諦めればいい」と言っていたのにいざ入手できないとなれば絶対に行くと意固地になるいい加減さが、とにかく面白い。 諧謔に満ちた独自の視点が満載で、つい笑ってしまうこと必定。 インターネットの膨張によって他者の目を過剰に意識してしまう現代だからこそ、百閒先生くらいのテキトーさが眩しいです。
  • 2026年8月17日
    ニューロマンサー〔新版〕
    ニューロマンサー〔新版〕
    サイバーパンクの嚆矢として名高い本書『ニューロマンサー』。 新版刊行時に購入していたものの、200ページ読んだところで挫折し、そのまま長らく積読状態になっていました。 そんな中、来年初頭配信予定の実写ドラマシリーズの予告編を視聴し興味が再燃。 重い腰をあげ読み進め、なんとか読了することができました。 まぁ、読み始めて最初にぶつかる鬼門は馴染みのない言葉の応酬でしょう。 外国文学を読むと毎度、何のこっちゃか想像しにくくて投げ出してしまいたくなるわけですが、なんと新版は優しいことに巻末に用語解説を掲載! 旧版から約1000円ほど値上げされたのは苦しいですが、これは実に嬉しい配慮です。 ただ、この用語解説があっても読みやすい小説では決してありません。 読み手の想像力を試してくる作品です(SF小説は概してそうなんですが)。 しかもページ数が500を超えてるときてる‥。 多くの人はこの時点で二の足を踏んでしまうと思います。 しかし、本書からしか得られない栄養があるのは確かです。 バイオレンスで混沌とした世界に没入《ジャック・イン》する体験は、他では体験できないもの。 いちど読んでみて挫折するのも良し。 いつかはきっと、(私のように)キブスン・ワールドの魅力に気づけるはず。 とりあえずは、"なんか分からんけど格好いい"を楽しみましょう。
  • 2026年8月15日
    悪と嘘を描く
    『北斗の拳』の原作担当で広く知られる武論尊(別ペンネームには史村翔)が、半生を振り返りながら私論を展開していく一冊。 帯には「初めて明かされる原作術」などと書かれていますが、実際の中身はちょっと違います。 本書は"こうすれば上手く物語を組み立てられる"といった指南書ではなく、あくまで武論尊氏が自身の経験から得た私論を明かすもの。 なので、答えを探して本書を開くのではなく、何かしらのヒントを発見できれば儲けもんくらいの気持ちで読むのが良いかと思われます(著者自身、冒頭にてその旨を表明しています)。 ただ、売り文句と中身にギャップはあっても、本書は純粋に読み物として面白いです。 本宮ひろ志との出会い、編集者との試行錯誤、作画担当との関わり方‥。 武論尊氏だからこそ書ける文章がてんこ盛りで、読む手が止まりません。 自分のことを歯車でしかないと割り切ってしまう姿勢もクリエイター関連の書籍にしては珍しく、そこもまた新鮮な気持ちで楽しむことができました。 AIなどを利用し効率的に成果を上げることが要求される現代。 武論尊氏の『優れた作品を生み出すためには、そこに効率化を求めてはならない。(本文より引用)』という考えは意識していきたいと思います。
  • 2026年8月13日
    なぜあなたの感想はふつうなのか
    映画について語るのをたまに聞く程度には存じあげている大島さんが本を出版。 評判も良さそうですし、テーマにも興味があったので拝読してみました。 率直な感想としては、悪くはないけど1500円ほどの価値があったかというと微妙なところ。 最近の「言語化」の潮流に対する警鐘は至極ごもっともですし、第2章から語られる思考法のアドバイスも参考にはしやすいので、人によってはタメになりそうです(第3章後半は正直蛇足)。 ただ自分は本書から青天の霹靂のような知見は得られず、物足りなさの方が強く残ってしまいました。 私的には、大島さんのもっとパーソナルな部分を垣間見てみたかったですね(例えば、ある一週間のスケジュールのようなもの)。
  • 2026年8月6日
    鹿男あをによし
    『鴨川ホルモー』に続いて、万城目氏のもう一つの代表作『鹿男あをによし』を読了。 京都を舞台に繰り広げられていた『ホルモー』から変わり、今作での舞台は奈良。 それゆえ、「古墳」「卑弥呼」、そして「鹿」といった奈良の象徴たちが続々と物語に登場。 奈良の歴史と地理を上手く絡め合わせ、荒唐無稽な万城目ワールドを構築しています。 知識に裏付けされたデタラメこそがは、万城目文学の真髄ですね。 また、各登場人物のキャラクターが等身大に仕立て上げられているため、現実との乖離を感じず、私たちが知らないだけで実際にどこかで繰り広げられているのかもしれないという錯覚を抱かせてくれるのも面白いところです。 100ページに至るまで本筋には入らなくても苦痛なく読めてしまえるのは、、キャラクターが上手く描けているからなんでしょう。 そして何と言っても、(『鴨川ホルモー』もですが)『鹿男あをによし』という題名の口触りのよさが良い。 いちど聞いたら忘れないですし、つい口に出して言ってみたくなりますよね。
  • 2026年8月2日
    修辞的思考
    修辞的思考
    序文に、「修辞的思考の発現した様々な技巧の中で、論理の力によるのではない「非=論理的」な説得力の出どころを突き止め、それに論理的説明を与えることが本書の目的である。」と書かれている通り、本書は修辞的思考を論理的に解剖しようと試みた一冊となっています。 名著に仕込まれたレトリックを、著者なりのアプローチで読み解いていく解説はどれも面白く、「なるほど」と首肯しながら読み進めることができました。 ちなみに、取り上げられている作品はシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』、ラ・ロシュフコーの『マクシム』、ドストエフスキーの『罪と罰』、中島敦の『山月記』、伊藤整の『青春について』の計5本です。 レトリックとは何かを学べるだけでなく、本の読み方・楽しみ方を提示してくれる本書には一読の価値があります。 レトリックは詭弁だと白眼視されがちですが、知っておくと見方と思考の幅が広がるので(本書に限らず)何かしら読んでみると良いかもしれませんよ。 そのなかでも本書は、入門としてオススメできる一冊なので興味があれば一読してみてください。
  • 2026年7月31日
    777 トリプルセブン
    伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ第4弾にあたる本書。 正直言うと伊坂作品に特別興味があるわけではないのですが、今シリーズだけは大好きで全作読んでいます。 前作『AX』が個人的に微妙だったので、本書のハードカバー版はスルーしていたのですが、文庫化されたのを機にいっちょ拝読。 率直な感想は、シンプルに面白い! ホテルというソリッドなロケーションで繰り広げられる殺し屋たち(本編では「業者」と呼称)の攻防戦は読んでいて楽しいです。 「天道虫」こと不運な殺し屋〈七尾〉が再登場し、『マリアビートル』的な面白さに回帰しているのも好みでした。 もしかしたら『グラスホッパー』→『マリアビートル』→『AX』→『777』と作品ごとで緩急をつけているのかもしれません。 キャラクターの魅力で世界観を支えつつ、「裏切り」を仕込んだプロットで驚かせてくれる本シリーズは、伊坂幸太郎の真髄を痛感できる見事なエンタメです。 いずれは、NetflixかWOWWOWあたりでドラマ化して欲しいものです。 ただ、敵の戦闘スタイルが吹き矢なのはダサかったなぁ…。
  • 2026年7月30日
    反ミーム部門は存在しない (ハヤカワ文庫SF)
    タイトルにある「反ミーム」とは一体なんなのか。 なんとなくネットを漂流していれば「ミーム」という単語には出会う機会があると思いますが、その実際的な意味については知らなかったりします。 かくいう私も詳しく知らなかったのですが、どうやらミームというのは「自己複製し拡散する情報」を意味するとのこと。 つまりその反対の「反ミーム」とは、「情報を拡散しない」ことを意味しています。 本書ではそんな「反ミーム」特性(記憶や記録を消去する)を持つ存在と人類との戦いが、スリリングに展開していきます。 何が起きているのか、何が起ころうとしているのか、人智を超えたストーリーにただただ圧倒されるばかり。 SF、オカルト、ホラー、あらゆるジャンルが混じり合うカオスさとは裏腹に、精緻に練られたプロットが魅力的な一作です。
  • 2026年7月28日
    ホラー映画超近現代史
    スラッシャー映画が若者を熱狂させた7,80年代。 しかし90年代に入るとホラー映画は力を失い、代わりに『羊たちの沈黙』『セブン』のようなサイコ・スリラーが市場を賑わせ始めます。 ホラー映画はこのまま衰退していくのか、そう思われた時にあの名作『ソウ』が登場。 いやいや『ソウ』もサイコ・スリラーでしょ、と言う方もいるでしょうが、『ソウ』はまごうことなきホラーの文脈から生まれた作品なのです! というような話が満載の本書。 見識のある方々をゲストに招いての対談は、どれもタメになるものばかり。 ホラー初心者のみならずホラー愛好家もじゅうぶん満足できるはずです。 私自身はホラー映画レベル"中"くらいなので、かなり読み応えありました。 とくにスプラット・パック(イーライ・ロスやロブ・ゾンビ)、ニューウェーブ・オブ・フレンチホラー(アレクサンドル・アジャやパスカル・ロジェ)、マンブルゴア(タイ・ウェストやアダム・ウィンガード)といった括りは詳しく知らなかったので、読んで良かったです。 もちろん作家のことだけではなく、ブラムハウス、A24、NEONといったゼロ年代以降のホラーを支えるスタジオにも言及。 膨大な文字数と広範囲の情報に思わずくらっとする様な一冊です。
  • 2026年7月20日
    成瀬は信じた道をいく
    文庫化された成瀬シリーズ第二弾、『成瀬は信じた道をいく(通称:成信)』を読了。 前作に引けを取らないユニークな続編で大変満足です。 収録されている5つの物語はどれも面白く、あっという間に読み終わってしまいました。 市井の人々に対して炸裂する成瀬節でクスッと笑え、彼女の威風堂々とした姿勢からは元気をもらうことができる今シリーズは、やはり読んでいて楽しいです。 第三弾かつ完結作の次作は、すでにソフトカバーで出版されているので読めるのですが、まだお別れするのは寂しいので文庫化を待ちたいと思います。
  • 2026年7月16日
    アクロイド殺し
    アクロイド殺し
    クリスティーの人気を決定づけたという今作。 当時は大胆なトリックに賛否両論が巻き起こったらしいですが、影響を受けた後続が溢れかえる現代では「なにが問題なの?」と不思議に感じます。 故に、当時の読者が受けた衝撃を追体験することはできなかったわけですが。 しかし今作の面白さの要因はそのトリックだけではなく、真実を隠蔽しながら、ヒントを潜ませる巧妙な語り口にこそあります。 本編中に散りばめられていた違和感、示唆的なセリフが、最後には明瞭な意味を持ち眼前に突きつけられる時の快感。 そんな探偵小説の醍醐味が詰まった今作は、何があっても色褪せることはないでしょう。
  • 2026年7月5日
    世界がわかる宗教社会学入門
    宗教というものに忌避感を抱いている日本人はきっと多いはず。 しかし宗教というものは結構面白いものですよ。 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教などなど種々雑多な宗教たち。 これらがどのように成立し推移していったのか、それを簡潔かつ大系的に纏めてくれたのが本書です。 本書だけで全てを知ることはできませんが、理解の足がかりとしての機能は十二分に果たしています。 情報を知りたい宗教の章だけを読むのも全然ありですし、なんなら巻末にある宗教社会学関連年表に目を通すだけでも必要な知識を得られるかもしれません。 特定の信仰を持っていなくても、宗教のことを知るのは大切。 人間という生物を語る上で宗教は外せませんからね。
  • 2026年6月29日
    チャーリーとの旅
    チャーリーとの旅
    アメリカのことを何も知らないと悟ったスタインベックは、愛犬の老プードル〈チャーリー〉を連れて旅に出発。 改造トラック"ロシナンテ"で1960年のアメリカを闊歩し、訪れる場所場所で出逢うアメリカ人との交流を文字によって活写していく一冊となっています。 岩波ブックカバーフェアの対象本でしたので、なんとなく本書を手に取ったわけですが、これがなかなか面白い! 1960年代のアメリカ、という私に取って何のゆかりもない時代・場所が舞台なのに、意外にもスルスルと読めてしまえました。 これはやはりスタインベックのユーモア、そして描写力のお陰なのでしょう。 本書を読んで彼の他作品への興味も出てきました。 『怒りの葡萄』も手に取ってみようかしら。
  • 2026年6月26日
    ホルモー燦燦
    ホルモー燦燦
    『鴨川ホルモー』刊行から20年の歳月を経て、ホルモー奇譚ついに完結。 一見関連性のないように思える個々の物語が、実は"ホルモー"によって繋がっているという見せ方が上手いのでスラスラと読めてしまえます。 やっぱり一冊の中に一本軸があると読みやすいですね。 そして相変わらずホルモーの深淵は底知れず。 わからないから面白いを徹底してくれているのは本シリーズの魅力です。 『ホルモー六景』で存在が示された東京ホルモーのベールが明かされる"社会人ホルモー"が、とりわけ映画的で読み応えありました。 懐かしいキャラクター達にも再開でき、個人的には満足です。 では、最後には例の雄叫びをあげて感想を締めたいと思います。 「「ホルモォォォォォォオオオ!」」
  • 2026年6月21日
    資本主義が嫌いな人のための経済学〔新版〕
    経済学に関して全くの無知ですが、資本主義のなかで生きているのだから教養のためにいっちょ読んでみようかと購入。 基礎知識の不足ゆえに手間取り、時間がかかってしまいましたが何とか読了しました。 右派と左派がそれぞれ抱えている謬見、誤信を批判的に論じていく本書。 過去事例を取り上げながら説明してくれるので分かりやすいところもありましたが、どうやら私には難しかったようです。 ただ全てを理解できなくても、資本主義システムの複雑さを多少なりとも理解できただけで儲けもの。 「需要と供給のバランス」、「モラルハザード」などなど実は身近なのに実生活で意識しにくい問題を提示してくれる本書は、一読の価値ありかと思います。
  • 2026年6月11日
    すみせごの贄
    すみせごの贄
    澤村伊智氏が手掛ける比嘉姉妹シリーズの短編集第3弾です。 全6編が収録されており、各話50ページほどなのでお手軽に読むことができます。 相変わらず人間の醜悪な面と怪談を結びつけるのが上手く、いい意味で嫌な気持ちにさせられました。 「そんな無理に嫌な着地にさせなくても‥」という展開もありましたが、まぁそこは澤村氏の"味"ということで納得しましょう。 ちなみに、個人的なお気に入りは「火曜夕方の客」と「とこよだけ」。 「火曜夕方の客」はホラー色が強いのに最後にはうるっとくる感動が、「とこよだけ」はちゃんと読めば分かるトリックが仕込まれており読後の満足感がありました。
  • 2026年6月6日
    オリエント急行の殺人
    オリエント急行の殺人
    今年の3月頃に初めてのクリスティー体験となった『そして誰もいなくなった(新訳)』を読了し、彼女のストーリーテラーとしての才能を今更ながら実感。 その流れで、不朽の名作と名高いこちらにも手を伸ばしてみました。 残念ながら生きているうちにネタバレを避けることはできず、真相を知ってしまっている状態で読んだわけですが、それでも十分楽しく読みことができました。 国籍問わず種々雑多な人々が集まる国際列車、不運にも雪の影響でクローズドな空間へと変貌。 この状況づくりの段階からすでに面白い! 基本的に視点は名探偵〈ポワロ〉に定着していますが、〈ブーク〉と〈コンスタンティン〉という読者の代わりとなって疑問を呈示する存在がいてくれるお陰で、物語に没入しやすくなっているところも上手いです(一緒に謎に挑んでいる気分になります)。 不可思議な殺人事件はやがて、「法の脆弱性」、「正義の所在」というテーマへと収斂し、見事なラストへ着地。 確かな読後感に浸れる傑作でした。 《個人的メモ》 最も感嘆した箇所は、p19のポワロを見送るフランス軍中尉〈デュボスク〉の視点から、流れるように〈メアリ・デブナム〉の視点へと移行するトランジション! この映像的な描写力、さすがクリスティー先生です。
  • 2026年6月4日
    ネット怪談の民俗学
    1990年代から2020年代の間にネット上で生み出され、人々を魅了してきたネット怪談/ネットホラー(『ひとりかくれんぼ』『くねくね』etc)をできるだけ拾い上げ、分析/考察を展開していくネット怪談入門書です。 基本的に日本のものを中心に取り扱っていますが、海外のものでも『スレンダーマン』や『バックルーム』などの有名どころはしっかり取り上げてくれていますので、そちら方面に興味がある方にも有意義な読書になるかと思います。 怪談がどのように始まり、共同構築されていったのかを、できるだけ明確な情報をもとにして分析していく筆者の熱(というか偏愛)が肌に伝わってきました。 巻末には出典・索引まであり、資料としての価値も十分高い本です。 《本書内用語記録》 ネット怪談‥特定の作者への帰属が意識されず、事実かもしれないとみなされるもの(投稿者=報告者)。 ネットホラー‥作者の存在が意識され、フィクションとして楽しまれるもの。(投稿者=作者) 「オステンション」‥すでにあるテキストで言われていることを試してみたり、再現してみたり、とにかく身をもって示してみる行為のこと 「逆行的オステンション」‥もととなる伝説がないのに実体験や噂などで「根拠」をつくりだし、あたかも昔から伝説があったかのようにしていく一連の行為
  • 2026年5月29日
    推し、燃ゆ
    推し、燃ゆ
    正直言ってしまうと私好みの作品ではありませんでした(恐らく現代純文学が性に合わないのでしょう)が、最後まで読み通すことができたのは、ひとえに著者 宇佐見りん氏の描写力のお陰だと思います。 とくに、主人公の見る世界を的確かつ秀逸な表現で活写する言語化能力には目を見張るものがありました。 推し文化に興味を持てない私からすると、心の空白を他者で埋めることの良さが分からないですね。
  • 2026年5月28日
    読書について
    読書について
    読書について知ろうと意気込んで本書を開くと、早々に「他人の知識(=本)に頼るな!自分の頭で考えろ!」と鼻面をぶん殴ってくるショーペンハウアー先生。 私は本書以外では『幸福について』しか読んでいませんが、この痛快な傍若無人っぷり(言い方悪いですが老害な感じ)こそがショーペンハウアー先生の妙味だと感じています。 正しいかは別として、力強い語り口から放たれるユニークな罵詈雑言の数々は純粋に読んでいて楽しいです。 とくに日銭を稼ぐために粉飾を施した悪文を書く文筆家を「三文文士」と呼称し、痛烈に批判していくところは笑いっぱなしでした。
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