
コノハズク
@yy708
2026年9月2日

ガラパゴスの箱舟
カート・ヴォネガット
読み終わった
最後の人類がガラパゴスの一つの島に生き残り、100万年の時間をを経るなかで、どのように進化していったのか?
100万年をかけての人類の進化の過程が描かれるのかと思いきや、話の大半をガラパゴスへ向かう船へと最後の人々が乗り込むまでのストーリーで占められている。
作者の伝えたかったのは、人間がどう進化したか? ではなく、人間はどこまで滑稽で愚かな存在なのか、なのだ。
登場人物の生い立ちや、小説に出てくる小道具などについて長々と語り、話がなかなか進まないのもまた面白い。
それらのストーリーを、幽霊である語り部が100万年後の世界から思い返しながら語る(書く)という構成で書かれている。
そして時折描かれる100万年後の人間の姿。この姿については詳細に描かれてないのだが、水中で生活する事により頭が流線型で、そのため脳が小さくなり、手はヒレのような形になった、イルカかオットセイのようなイメージだろうか。しかし、彼らはそれで幸せに暮らしているらしいのだ。
現代の巨大脳という無駄な器官をもつ人類のおろかさを、カート・ヴォネガット独特のユーモアで皮肉った、これはもう傑作。


