HW
@HW
2026年9月3日

平気でうそをつく人たち: 虚偽と邪悪の心理学
M.スコット・ペック
読み終わった
個人レベルでの邪悪性から、集団、国家レベルの邪悪性まで言及している本。著者M スコット•ペックはアメリカ陸軍の医官(精神科医)として勤務、沖縄の米軍基地で心理カウンセリングを行った経験もあり、その後は精神科クリニックでの臨床医だった人。
前半の、個人レベルでの邪悪性、操作性、と言ったものは、今ならパーソナリティ障害として捉えられるだろう。「他人を支配したがる人たち」に登場する潜在的攻撃性パーソナリティに重なるようなところもある。
後半の集団としての邪悪性について。著者はベトナム戦争での市民殺戮(ソンミ村虐殺事件)後に、再発防止の調査委員会に参加した経験があり、その考察は興味深い。結局調査そのものは強制終了になったとのことだけど。
著者は再発防止に一番必要なのは軍の組織ごとの専門化を極力非専門化すること、市民への公共サービス、多目的国家奉仕隊であることが大事なのだと言う。自衛隊の公共奉仕にはそういう目的もあるのか、と驚いた。専門化させないためには志願制より徴兵制がいいとも言っている。
悪の始まりは嘘である、と著者は言う。そして悪の根源はナルシシズムと怠惰であるという。つまりどんな人間にも悪の萌芽があり、胸に手を当てて考えるべき事があると思う。
