
きなこ
@kinako2025
2026年8月31日
行きつ戻りつ死ぬまで思案中
垣谷美雨
読み終わった
垣谷美雨さんの書く小説は、女性が理不尽な目に遭うところからストーリーが始まり、主人公や周りの人々が気づきを得て成長していき、醜悪な環境等を取り除いていくというものが多い。だからこそ彼女の作品が好きでよく読んでいる。
この本はそんな彼女のエッセイということで、小説以外に作者の考えを知る良い機会だと思い読んだ。
現在還暦を過ぎた年齢の作者が生きてきた社会環境を思えば、女性が理不尽な目に遭うのは日常茶飯事だったろうし、それに対して問題意識を持って執筆する作者の気持ちも分かる。
ただ気になったのは、外国への目線だろうか。
高度成長期の頃のアメリカ崇拝の空気、対して中国や韓国などのアジアの国々への蔑視感情の切れ端を感じたこと。
漢字は覚えるのは大変だが、文字を見てすぐ意味が分かるので、理解している人にとっては便利な文字だと思う。その点に注目して作者は韓国語のハングル文字表記化に対して嘆いている。
私は、考えをもう一歩先に進めて欲しかったと残念に思う。
なぜハングル文字が編み出されたか。漢字はもともと両班など一部の特権階級しか読み書きできなかったのを、一般民衆も読み書き出来るように簡単に取得できるハングル文字を世宗大王が学者たちに指示して作らせた。
このような歴史を知れば、現在も漢字を使っている国の人間が漢字の良さにのみを主張できないと思う。
その点を除けば概ね作者の気持ちに共感しつつ読んだ。
