
ユメ
@yume_bookworm
2026年8月12日
四畳半タイムマシンブルース
上田誠,
森見登美彦
読み終わった
感想
再読
『四畳半神話大系』でお馴染みの面々がタイムマシンに乗って大暴れする、愉快極まりない物語。作中の日付に合わせて8月12日に再読したことで、いっそう楽しめた。
「壊れたエアコンのリモコンを昨日に戻って取りに行く」——私の知る限り、最も矮小なタイムトラベルの目的である。浪漫の欠片もない。だが、そこがいい。何というか、実に「四畳半」的な冒険である。
そんなささやかなタイムトラベルが次第にカオスを生み、いつしか宇宙滅亡の危機へと繋がってゆくのだから面白い。
それにしても、小津の恐ろしさである。宇宙滅亡とタイムマシンへの興味を天秤にかけた結果、平気で後者を取る男だし、仮にその結果で人類が絶滅したところでなぜかひとりだけ生き延びていそうな不気味さがある。
小津と樋口さんと羽貫さん、絶対にタイムトラベルをさせてはいけない組み合わせから、果たして「私」と明石さんは平和な日々を守れるのか。二日間のすったもんだを楽しく読んだ。
夕暮れ刻の鴨川デルタの描写には、私自身の大学時代を京都ですごした日々が想い起こされ、郷愁のようなものを掻き立てられた。
森見作品らしい締めくくり方「成就した恋ほど語るに値しないものはない」もとても好き。



