
SAKIMI
@sakimi
2026年7月14日

遠い声をさがして
石井美保
読み終わった
読書会きっかけ
読書会でおすすめされていた本。
学校の夏休みのプールの事故でなくなった女子児童・はなちゃん。はなちゃんのご両親が周りの人を<同行者>にしながら、「なぜ」「どうして」はなちゃんが亡くなったのか答えを探す。
「なぜ」の方に答えはなく、「どうして」の方には答えがある。その「どうして」を知るためには、客観的なデータやその場に居合わせたひとたちの語りが大切で、それらを丁寧に積み重ねていく<同行者>たちの記録であった。
文中に、「あえて「あの時」の中に踏みとどまろうとする」という箇所があり、それは本当にすごいことだなと思った。
私は、忘れることでなんとか日常を保っている部分がある。そこをずっと見つめ直していたら、めそめそしてしまって私は進めない。でも、そのめそめそすることが本当は必要だったのかもしれないなと思ってしまった。
あと、教育委員会とのやりとりにおけるお互いの認識のすれ違いが辛かった。どうしても、行政の担当者は未来志向のアプローチをとってしまう。それはすごくよくわかる。でも、遺族が求めているものとはかけ離れている。誠意がない担当者、というわけではなかったのもあってすれ違いに心が痛んだ。
そして、ちょっと本筋からは外れるが、プールでの描写で自分の記憶も呼び起こされた。
私も通っていたスイミングスクールで、大きなビート板の下から出られなくなったことがある。10人くらいの同じクラスの子どもたちが大きなビート板に乗っていて、私はその下に落ちてしまった。ビート板も動くものだから、私は水上に上がることができず、「あっ、ちょっとやばいかも」と思った時にコーチが引き上げてくれたことがあった。「死」を意識した経験のひとつだ。
あのときの恐怖を思い出し、あらためてはなちゃんの苦しさを想像した。水の事故は怖い。苦しい。悲しい事故がこれから先、起こりませんように。
