犬山俊之 "つながる読書" 2026年9月6日

つながる読書
つながる読書
三宅香帆,
仲町六絵,
向坂くじら,
安積宇宙,
宮崎智之,
小川公代,
小川貴也,
小池陽慈,
岡本健,
御手洗靖大,
木村哲也,
木村小夜,
渡辺祐真(スケザネ),
田中健一,
草野理恵子,
藤本なほ子,
読書猿
2024年6月にSNSに書いた感想  ### おそろしいほどの密度と熱さ。まず電子書籍で読んでいたのですが、これほどのボリューム感の熱意のかたまりが、コンパクトな新書サイズに収まっているとはちょっと信じられませんでした。 現代屈指の読み手(であり書き手)の方々による本の紹介を小池陽慈氏がまとめるという作りなのですが、小池氏自身の熱意もスゴイのです。イントロの途中で、「ちょっと出しゃばっていいですか」「もう我慢できないので、ちょっと朗読させてもらいます」とプレゼンターを差し置いて話し始めるのは笑ってしまいました。 * 第一部で紹介されている本は全て欲しくなるし、プレゼンターの方々自身の著作も読みたくなるという最高のブックガイドになっています。 また第二部には、紹介された本全体を俯瞰して小池氏と読書猿氏が語る対談があり、それに加えて、他のプレゼンターが紹介した本を、他のプレゼンターが読んでみるという第三部もあるという、本を重層的に読む面白さを堪能できる作り。唸りましたね。いいなあ。完成品としての本の出来がいいというだけでなく、こういう充実した仕事ができる人と場があるということがすごくうれしい。 * 個別の本で言うと、(既読の本はのぞいて)ぜひ読みたいと思ったのは『鼻行類』『オリガ・モリソヴナの反語法』。岡本健氏のプレゼンには最高にワクワクさせられました。また三宅香帆氏「あなたの将来に少しでも致命傷が残らないように。本を通して傷ついてほしいです」などの言葉は刺さりました。 それから、プレゼンターの方の著書を読んでみたいと感じたのは宮崎智之氏、仲町六絵氏。宮崎氏の文章、紹介も感想もすごく丁寧で優しく、それでいて急所をつく鋭さがあります。仲町氏の短歌「自転車で 降りてゆくとき 両手足 宙に伸ばして 怖がってみる」を知り、ぜひ哲学の道に行ってみたくなりました。 * さて、読み終わり、全てのページがおもしろいという、なかなか得難い読書体験ができる本書なのですが、個人的に一番印象に残ったのは田中健一氏の章。本の紹介というより「読む」ことの真髄に関する文章で、ここだけでも本一冊分の重量を感じました。さすがの一言。インパクトがありすぎて、「何の本の紹介だったっけ?」と書名を忘れてしまうほど。これは第三部で田中氏の「紹介」を受けて小川貴也氏が感想・解説(『漢文名文選』)を書いてくれている部分がすごくありがたいです。 * 最初にこの本を読む前に少し心配に思ったのは「10代に推したい」というような題名にすることで、今10代の読み手は敬遠するのではないかということ。自分が若かった時のことを考えると、「若者向け」なんていう打ち出しはどんなジャンルでもバカにしていたものです。しかし、読んでみて編者の小池氏もプレゼンターの方々も「10代」という枠はそれほど気にしていないように感じました。とにかく全編を通して熱い熱い言葉がほとばしっている。この熱意は必ず読み手に伝わります。若者も大人もぜひ本書を手に取るべし。その熱意で火傷する覚悟で▼
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved