
彼らは読みつづけた
@findareading
2026年9月7日
黒猫のいない夜のディストピア
丹地陽子,
森晶麿
読み終わった
電子書籍
*本の中の読書*
《負けず嫌いの娘と母は、いつでもそうやって公園で遊んだ後、今度は図書館で読書に耽るのだった。最初のうちは、母の見様見真似。でもそのうち、テレビを眺めるみたいにパラパラと文字を目で追うようになった。
やがて、母に「文字はよく嚙んで」と注意されるようになる。
──あなたはまだ文字を丸のみしているわ。それじゃあだめなの。
──どうして?
──丸のみされた言葉は、言葉ではなく絵や映像に変わってしまって、二度と言葉には戻らない。
言われてみると、それまで読んだ本の言葉を何も覚えていなかった。絵は浮かぶ。その都度イメージにしているから。でも、それだけだ。だから、自分にとっては文字を追うことが究極の娯楽だった。》
— 森晶麿著『黒猫のいない夜のディストピア』(2021年5月Kindle版、ハヤカワ文庫JA)



