
うゆ
@otameshi_830
2026年9月9日
異形のものたち
中野京子
読み終わった
観たことのない作品を多数観られたのが嬉しい。…が、大半が本ののどにかかっていることもあり図版が見にくいのが残念。最近出た同趣旨の五郎さんの本はとにかく図版を見やすく美しく載せることに相当拘ったのだろうな。あちらが絵を見せる本ならこちらは文を読ませる本か。棲み分けはできている。
人は美しいものに惹かれるのと同じくらいあるいはより以上に怪しいものに惹かれるものらしい。もしくは、究極の美とは「怪」の一種なのかもしれない。それは驚異であり畏怖であり、曰く言い難い感情で心を囚える。そんなことを思いました。
いちばんゾワッとしたのは
第五章 ただならぬ気配―不可視の恐怖
という(主に)風景画の章。
ハンマースホイ怖すぎ!
カスパー·フリードリヒの《ブナの森の修道院》やベックリンの《死の島》はいつか実物を観てみたい。
読みながら私の部屋にずっと飾っているエドワード・ホッパー《トゥーライツの灯台》のことを、あれも怖い絵だよな〜と思い出していたら、最後にホッパーが出てきて やっぱそうだよね…となった。(作品はちがうものだったけれど)。
私はあの絵は世界の終末(というか人類の消滅)の風景だと思っていたのだけれど、以前Twitterでお話ししたフォロワーさんは 人の帰りを待つ(あたたかな)家の絵、とおっしゃっていて、本当に人の受け取り方というのは様々だなと思ったのは面白い経験だった。…余談でした。
また「怪」を描いた絵はどうも男性の欲望と深く結びついているものが多いみたい。女性画家自体が少なかったせいもあるだろうから、今後女性画家が描いてゆく「怪」はどのようなものになるのか、その点にも興味が湧きました。


