
水銀
@suigin
2026年9月9日
夏蚕の翅
冬島いのり
読み終わった
4章を経てこれまでの敬体は誰かを羨み、演じようとしていた紫蘭を表現するための文体だったのかと気付かされた
著者も文化的な生活に身を置き続けていたのだなと内容から読み取れて、私より若い人がそうしたことに目を向けていることを羨ましく思った
序盤は息苦しく、二人の望む幸せにたどり着けるのだろうかと息を飲んでいたが、小さな希望がいくつも向けられていて読後感は爽やかだ
これは私自身の問題なのだが、私の周りには自身の内面を事細かに分析、言語化しようと努める人が多く、私もその空気にあてられそれができるよう努めていたが、必要以上の言語化は身を滅ぼし、他者のそういった秘部も触れすぎると気がおかしくなりそうで
この作品も登場人物がそれぞれ自身の内面を丁寧に描写しているから、そういった意味でも逃げ場が無くて息が詰まりそうだった
だけど著者はそれに膨大な時間を費やしたに違いないと思うし、それをすることをやめないで欲しい
私も引き続き自己の内面を省みつつ、言葉にしなくても良い感情は大切にとっておきたい
