
漆野凪
@urushinonagi
2025年4月4日

安房直子コレクション(5)
安房直子
読み終わった
副題が「恋人たちの冒険」だったので恋愛に関する童話が出てくるのだな、と身構えていたら全て異類婚姻譚で、素敵な本だった。
安房直子さんの紡ぐ文章が毎回すてきで、読んでいるとどきどきする。
今作では「天の鹿」の冒頭の「牡鹿の鳴き声にそっくりの鹿笛は、山の紫の花々をふるわせ、すすきの白い穂の上をわたって、ひと山もふた山もこえたところにいる牡鹿を、おびきだすのでした。」(p.10)という文章が特に好き。
「あるジャム屋の話」の、鹿の娘がジャムを紅茶に入れてロシア紅茶にするシーンなんて、口の中にロシア紅茶の味がしてくるようだった。
『安房直子コレクション』は7巻まで出ているので、残りの2巻を読むのが今から楽しみだ。
