
きらた
@kirata
2026年9月11日
時計泥棒と悪人たち
夕木春央
読み終わった
帯付きのお写真どうぞ!
時は大正
油絵画家·井口が幼馴染の元泥棒·蓮野に、ある相談を持ちかけることから始まる、『絞首商會』の前日譚にあたる、6編‥7篇?収録された連作ミステリ短編集
シリーズとは知りませんでしたが、時系列的には此方の話の方が先らしいので、本作から読んでも問題ないのかも知れません??
収録作
「加右衛門氏の美術館」
「悪人一家の密室」
「誘拐と大雪 誘拐の章」
「誘拐と大雪 大雪の章」
「晴海氏の外国手紙」
「光川丸の妖しい晩餐」
「宝石泥棒と置時計」
「誘拐と大雪」が2編にわかれているのは、語り手が変わるからわけたって事なのかしらね‥?
1つの事件を扱ってますが、内容はタイトル通りって感じ
全体的に後味に苦味を含ませた話が多いので、ほんのりとイヤミス風なのかも?
(個人的にはイヤミスに当たるほどではないと思ってますが)
そこまで強い毒だと思いませんが、スッキリ爽やかな読後感ではないのは確かです
また、大正時代が舞台だからなのか、所々“読み難いかも?”と感じる箇所と言うか、脳裏に映像が出難く感じた箇所がありました
※映像っぽいものを思い浮かべながら読み進めることがあるニンゲンなので←あるあるですよね?
同作者の現代を舞台にした『方舟』『十戒』の方が格段に読みやすく感じました
しかし、キャラの個性/魅力に関しては本作に軍配が上がると思います
読み難さを感じたのがちょいと気になりますが、時系列的にはこの連作短編の後にあたる『絞首商會』、読んでみたい気にはなってきました
実際買うかどうかまでは‥うーん←
見つけた時の予算や気分次第かな‥‥
方舟級の驚きを期待すると肩透かしを食らうかと思いますが、クセを感じるキャラと大正レトロな世界観の中で紡がれるミステリはなかなか良い感じ
残念なのは井口と蓮野の関係?
立場や恩とか義理とかを顧みても、なんだか井口が蓮野を便利に使ってるんじゃ?感が拭えなかったのです
蓮野は気にしてない?みたいですが、井口は困ったことが発生したら蓮野に割と強引に頼み込んで押し切る、ってパターンが多かったのが気になったのです
(元犯罪者に犯罪行為を匂わせる頼みをするってのがなんかちょっと‥でした)
元泥棒だからこそ頼める内容なんだと言われたら納得するしかないのですが、それにしてもなぁと←アッ
そんな感じで、個人的には両手を上げて称賛出来るとまでは行きませんが、大正時代の雰囲気を味わえるミステリとしてはとても良かったです
厚さはありますが、厚さによるしんどさは感じなかった作品
シリーズ1作目とかを読めば、井口に対する印象も変わるのかな?なんて思いますが、この本だけでは‥ちょいと印象が悪めに寄ってしまってますね
なお、1番楽しめた作品は「光川丸の妖しい晩餐」かな(悪趣味?)
「晴海氏の外国手紙」はちょっとありえないな、と思いながらも、どことなく美しさを感じました
毛嫌いする方も居そうだな、とも思いましたが!
「誘拐と大雪」は大雪の章の方が好きだったかな
ただ、気分によって変わりそうではある
おすすめ度は真ん中位かな?と思いますが、『方舟』などと比べてしまうからかも知れないなぁ


