ケイ "逃げる田中" 2026年9月14日

ケイ
ケイ
@flyingkei
2026年9月14日
逃げる田中
逃げる田中
小鈴キリカ,
石川宏千花
読み始め、読み終わった。クリスマスプレゼント用の選本のためにYAも時々読んでます。 逃げている田中さんも、逃げる田中さんを見かける度に追いかけてしまう曽我くんも、中学一年生。フィクションらしさに満ち満ちた軽快な作品だけど、田中さんが逃げる(あるいは追われる)理由の不可思議さはそのままに、追いかけ追いつき親しくなっていく曽我くんの気持ちの変化がリアルに描かれていて、なんとも言えず好ましい。 相手を自分なりに解釈したり、その言葉や行動を評価したりせずに、ニュートラルにまず受け止めるということ。人間関係を築くにあたってそれはきっととても大切なことで、けれど実際にはなかなかできないことだと思う。だからこそ感じる「 フィクションらしさ」であり、二人以外の人びととの関わりについての描写に物足りなさがあるのも事実だ。それでも、完全に子ども向けの物語というところまで全体を噛み砕きすぎていない物語の中で、そうしたニュートラルな向き合い方ができている二人の、互いに向ける素直な好意がテンポの良い展開の中でキラキラ輝いていて、軽いなりに良い読後感を残す。
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