
和月
@wanotsuki
2026年9月15日
魔女のまなざし
くらはしれい,
角野栄子
読み終わった
とってもステキな本!
魔女についてのエッセイ集。くらはしれいさんの挿絵もすごく可愛くて、ときめいた。
『魔女の宅急便』はずっと読みたいと思いつつ、まだ原作に手を出せていなかったので、これを機に読んでみようと思う。
魔法を非現実なものと割り切るのでなく、人々の願いや恐れの中に存在するのだという考え方が良い。「誰もが心の中に持っているもの」と考えると、単調な現実にどこか彩りが生まれるように感じる。
角野さんが実際にルーマニアの魔女に会いに行ったり、魔女に関わるお祭りに足を運ぶ姿も読んでいて楽しい。
実際に旅をされたのが30年以上前とはいえ、そこには現代に引き継がれている民間信仰の名残りが見える。世界には様々な祭事があるのだな、と民俗学的な観点でも新鮮で面白かった。
作品全体を通して、私たちが生きる世界と見えない世界の境目についての言葉がとても心に響いた。普段、意味や価値に固執してしまいがちだけれど、言葉にできない感情や感覚を捨て去るべきではない。
そうした曖昧なものの先に、私たちが夢みた魔法の世界が広がっているのかもしれない。
特に心に残った一文
「きれいはきたない、きたないはきれい」。きれいなものは人の喜びなのだ。そしてきたないものは、きれいを支えている。それが命あるものの生きている世界なのだ。
角野さんの目に映る魔女は、時に美しくあたたかく優しい。だけど野卑で恐ろしく凄惨な姿も見せる。両方を併せ持つからこそ、魔女は魅力的なのだろう。
私の心に善悪が2つ存在する時、そこには魔女が住んでいるのかもしれない。そう考えるとすごく心が躍る。
魔女のまなざしを忘れずに、私もいつか、角野さんみたいな素敵なマダムになりたい。

