

和月
@wanotsuki
マイペースに読みます📚
- 2026年2月24日
正欲朝井リョウ読み終わった読んでいる途中、中断して日常生活を送っている間もずっとこの作品について考えていた。 感想の言語化がこんなに難しいと思うことは稀で、それと同じくらい、人間の細分化された相違と共通する欲求をここまで言語化できる本があるんだ、という驚きがあった。 人は常に独りになること、疎外されることへの不安を抱えている。一人一人が遺伝子による個体差を持つので、完全一致する存在で安心を得ることも出来ない。そこで安心するための材料になるのが他者からの受容と共感だ。多数派に属すると、第三者からの批判や評価の眼が分散されることも理由の一つかもしれない。 人という漢字は本来、1人の人間が地面にしっかり立っている姿を表している筈なのに、その実なんてあやふやで不安定な存在なんだろう。 そんなことを悶々と考えさせられる作品だった。 諸橋くんの一文が痛烈に刺さる。 「自分は偏った考え方の人とは違って色んな立場の人をバランスよく理解してますみたいな顔してるけど、お前はあくまで“色々理解してます”に偏ったたった一人の人間なんだよ。目に見えるゴミ捨てて綺麗な花飾ってわーい時代のアップデートだって喜んでる極端な一人なんだよ」 同じくらい、八重子のこの一文も胸を打つ。 「はじめから選択肢奪われる辛さも、選択肢はあるのに選べない辛さも、どっちも別々の辛さだよ」 「自分を削ってくるものだらけの世の中でなんとか前向きに生きていく方法を考えたいだけ。」 この2人の主張のぶつかり合いが、とても良い場面だと思った。 数秒後に誰かの言動に傷つく被害者になったとして、その1分後には自分の言葉が誰かの加害になり得ることを、私は私の為に理解しておきたい。 この作品を読んでいる途中に別のZINEでオススメ本として挙げられていた「聖なるズー(著:濱野ちひろ)」を、関連本として読みたいと思ったので忘れないようにここに記録しておく。 - 2026年2月21日
宝石商リチャード氏の謎鑑定 輝きのかけら辻村七子,雪広うたこ読み終わった1年8ヶ月ぶりに再開。琥珀の満足感がかなり高くて、番外編を読むのを一旦止めてしまっていた。 シリーズをおすすめしてくれた友人と最後まで読み終わったら記念にジュエリー買いに行こう!と約束したので続きを読み始めた。かなり忘れてる部分が多かったけど、段々読み進めるうちに思い出してきて、やっぱり好きな作品! 特にジェフリーとヨキアムの書き下ろしの短編が良かった。2人には今までの分、めいいっぱい休んで幸福になってほしい。 次からは新章になるから、リチャード達がどんな風に活躍していくのか今から楽しみ! - 2026年2月19日
ヨルガオ殺人事件 下アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わっためちゃくちゃおもしろい作品なのは前提として、これを海外作品として読むことの口惜しさを痛感する。 無論、魅力を損なうことなく翻訳してくれている出版元には感謝しかない!ただ単純に、私自身英国の古典ミステリの知識や教養が乏しい結果、分かれば絶対に何倍も楽しいだろうなあ〜!という場面が各所にあるので勝手に悔しがってしまうだけ。作中作であるアラン・コンウェイの描く物語は色々な仕掛けが隠されていて、その本来の面白さを十分に味わえていない気がするのが歯痒い。 少なくともアガサ・クリスティ作品は今年中に読んでみよう。そして背景にある名作の知識を深めよう…。 そんな浅学な読者であっても、ホロヴィッツが作り上げる緻密でフェアプレイなミステリは本当に面白い! 細かく各容疑者の話を聞き取り、疑わしい点はそれとなく目印をつけて、疑惑を提示した上でひとつひとつ解決していく。入れ子構造で1作品に2つの謎を解くというのもボリューム感があり嬉しい。何より、決して交わらない世界線のスーザンとピュントの間に生まれる、一種の師弟関係のような絆が良い。 魅力を挙げるとキリがないけど、この難しい構造でこれだけ完璧に歯車を噛み合わせてくるホロヴィッツの作家としての力が素晴らしすぎる。 凄腕に圧倒されたので、そろそろ名探偵に振り回されるちょっと不憫なホロヴィッツを見にもうひとつのシリーズの続きを読もうかな。 - 2026年2月15日
ヨルガオ殺人事件 上アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わったシリーズ第2弾。 やっぱりスーザンの物語にどんどん引き込まれているタイミングでピュントに切り替わり、戸惑う間もなく作中作にのめり込んでいく展開が楽しい。 ホロヴィッツ作品あるあるで、かなりヒントを盛り込んだ章の結びに「実はここには謎を解く鍵がたくさん隠れていたのに、なにもみえていなかったのだ。」的な一文を添えていることがあって、これに出くわす度に悔しーー!となる。私も全然分からんのに匂わせられた!みたいな。 でも、最後まで読み切るとなるほど!と気持ち良くパズルのピースがはまるのもこの場面なので、複雑な心境である。 今のところ全然真相に近づけていないので、このままの勢いで下巻読み進める! - 2026年2月7日
ブレイクショットの軌跡逢坂冬馬読み終わった分厚い本なのに読み始めるとするする進む! 5章あたりからはこの先どうなるかが気になりすぎて、一気読みしてしまった。 ふわっと登場人物同士が交わる連作短編集とは違い、誰かの行動が誰かの未来を動かして、それが連なっていく。現象としてはバタフライエフェクトに近いんだけど、相互的に連動している場面も多々あり、最後まで読むと複雑な相関関係に改めて驚かされる。 俯瞰して複数人の人生を見ることが出来るとしたら、案外現実もこういう構造なのかもしれない。 架空のSUV(車)がタイトルになっているので、基本自動車業界をメインに話が進むのかなと予想していたが、良い意味で早々に裏切られた。 7割くらいは資産や金銭が絡む内容。国内ファンドや投資用マンション、マネーセミナー等がっつりと現代日本のお金の話をしていて、それ以外にも低所得層と富裕層の格差が示されていたりとなかなかに骨太な題材。 他方で、人間の多様な在り方や貧富の差では測れない人の幸福についても絶妙なバランスで組み込まれていて、専門的な知識が乏しくても読み進めたくなる。 私自身、薄らとした金融知識だけでは難しい箇所も多かったけど、調べながら読むと色々な知識が身につく感覚がして面白かった。カモにも七面鳥にもなり得る自覚を持って生きたい。 現代日本の諸相を描きつつ、間に4回挟まる話もかなり面白かった。むしろ段々そっちの方がどうなるの!?と続きが気になって仕方なかった。 エピローグは、これまで様々な形で提示されていた伏線が綺麗に回収されていてとても心地よい。さながらビリヤードの終盤、ボールがポケットに次々と吸い込まれていくような気持ち良さがある。最後まで気付かず、あっそうだったんだ!?となり慌てて該当シーンを読み返したりしてそこも含めて楽しかった。 同志少女もまだ読めていないので、これを機に逢坂さんの作品を読み進めたい。 - 2026年2月2日
■■謹んでお譲りします。講談社タイガ読み終わった全体的に後味悪い系、霊も人も嫌になるタイプの話が多くてうへぇ〜と顔を顰めつつ読み進めた。とはいえ、面白かったです。 梨さんのお話を読んでみたいというのがきっかけだったけど、かなり薄気味悪くて良かった。かなりニッチな癖を感じる。 個人的に1番嫌な展開になったのは「じゃんけんちゃん」で、ホンマにやだ……となる。でもある程度予想のつく展開をより最悪に持っていくのがとても秀逸だし、一部叙述トリックもあって著者の腕が光る作品だった。 好きだったのは最後の「いないのと同じ」 他の作品と同様に怖いし後味が悪い部分はあるけど、得体の知れない恐怖一辺倒だった霊の別の側面が描かれていて良かった。私はやっぱりこれくらいのホラーが好きかな。 - 2026年1月30日
きらきらひかる江國香織読み終わった人が人を愛することってすごいよね。 というある種普遍的なテーマを描く上で、この設定を執筆された時代に選ぶ江國さんの感覚にまず脱帽。 本作をどのように形容したら良いのか、未だにぴったりな言葉が見つからないけど、ぐらぐら揺れる積み木みたいだな、と感じた。すごく絶妙なバランスで積み上がっているけど、どこか危うくてハラハラする。笑子と睦月の暮らしはそんな緊張感がどことなく漂っている。 それでも、2人の日々をずっと見ていたくなる。性行為の無い夫婦であっても、お酒がぬるく心地よい熱を2人に宿してくれている。 紺も一癖ある性格で良かった!個性の強いメイン2人に好意を抱かれているのも納得の魅力がある。できれば3人ともが、時折喧嘩したり不安定になったり泣いたりしながら、美味しいお酒とご飯を食べて楽しい日々を送って欲しい。 江國香織さんの文章がやっぱり好きだなと思ったので、引き続き他の作品も読んでみよう。 - 2026年1月29日
読み終わった全員好きになれなくて、でも全員少し自分と似ている部分がある気がして、読んでると具合が悪くなってくる面白さだった。 二谷、押尾、芦川。組み合わせが絶対に良くない人達であっても一緒に働かないといけないのが職場だよなあ、と思った。 二谷のぬるっとした曖昧さと底に潜む鬱屈とした性格も、押尾の真面目で融通がきかない苛烈な姿勢も、「善良でか弱い人」の前では歯が立たない。学生時代のヒエラルキーは社会人になるとこうも逆転するんだな、と考えさせられる。きっと彼等が学生だったらまた違った展開になったのではないか。 芦川の視点は含まれないので推測ではあるけど、彼女もきっとか弱い人であるが故に、自分が生き延びる術を抜け目なく選びとっている。それが読み手側としては透けて見えて全然好感が持てない。私だって残業できないのに翌日凝ったお菓子作って来られたら普通にイラッときてしまうと思う。食べるけど。 強いか弱いかで当然弱い方が勝つ、という作中の表現が刺さった。表面上は平和な現代日本だからこそ、最近は本当に、そういう風潮になりつつある。 モヤモヤした感情や多くの人が薄ら抱いてしまう悪意を細やかに赤裸々に言語化するのが上手すぎる。思わず読みながら呻きたくなる読み心地だった。 - 2026年1月27日
このあたりの人たち川上弘美読み終わったどういう風に生きるとこんなお話を作ることが出来るんだろう? 独創的で唯一無二の世界観だった。奇妙で面白い掌篇小説。 川上弘美さんの作品を読むのが今回初めてだったので、こういう作風の作家さんだったんだ?!と吃驚した。 起承転結で物語が進行するというよりは、起と承と転までがころころと滑り落ちるように進み、結は読み手側が見出していく感覚だった。1+1=2みたいな明快な構造ではなく、変わった道程で物語が進む。解説にもあるように、物語における時間の伸縮性を存分に活用した展開も魅力。 不穏な要素もたくさん含みつつ、どのお話もふわっと短く幕を閉じるので深く考え込むことなく楽しめる。奇妙で不可思議なのにいつの間にかこのあたりの人たちに薄らと愛着が湧いてくる。とてもヘンテコで面白かった。 - 2026年1月26日
N道尾秀介読み終わった新しい体験型読書だった!逆さまにして本を読むのが面白くて、読書という行動そのものを楽しめた感覚。 私は今回、 雄蜂→鳥→少女→花→犬→星 の順番で読んだ。後からすばるに掲載された順番に読んでみるのもアリだったかも?と思いつつ、全体的には良い組み方が出来た気がする。 お話自体はそれぞれ独立していて中途半端に終わることは無いので、短編集として安定した読み心地。その上で少しずつ噛み合っていて、あ!この描写は!みたいな発見があるのが良い。 ただ、私はちょこちょこ読み進めていたので、最初の方に読んだ内容の記憶が飛びやすくなってしまい反省。メモでまとめたりするとより解像度や発見が深まるかも! 個人的には犬と花と鳥に出てくる人が好きでした。 I(アイ)も楽しみ! - 2026年1月23日
ラブカは静かに弓を持つ安壇美緒読み終わったバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら読み進めていた。最初から最後まですごく面白かった! 現代の日本が舞台でスパイ×音楽ってどんな話なんだろう?と不思議だったけど、意外と身近な話題を基にしていて、社会問題を扱っている作品としても読み応えがある。 話の主題としては、どこに正義があるかではなくあくまで師弟間の信頼と絆を描いているのが良かった。2つの立場の狭間で苦悩する主人公の姿に、この先どうなってしまうのかとページをめくる手が止まらなかった。 登場人物達も魅力的で、浅葉先生の生徒達との交流も読んでいて楽しかった。音楽だけではなく、音楽を愛する人達と関わる中で、自分が外界に対して築いている壁を認識する主人公の描写が良かった。過去の事件を機に、自ら選んだ孤独が彼にとっての深海であったこと。音楽、師との出会いが深海に射し込む小窓の向こうの光となっていく構成がタイトルにリンクしていて、とても秀逸な作品だと感じた。 大人になると共に、弾かなくなってしまったピアノをもう一度弾きたくなる文章だった。 - 2026年1月20日
スイマーズジュリー・オオツカ,小竹由美子読み終わった水みたいな文章で、塩素の匂いみたいに独特の個性がある。読んでいる心地はプールの中に揺蕩う感覚に似ていて、新しい読書体験だった。 題材は「認知症と水泳」 ふたつのテーマを織り交ぜた作品とはいえ、前半と後半では舞台ががらりと変わる。話自体の関連性は一見すると全然無いようにすら思えて、読んでいて驚いた。だけど、平穏で秩序が保たれていた存在(プール)に謎のヒビが現れて、段々と不穏な空気になっていく様は、後半の母の変容と周囲の反応に相対するようにも感じられる。 一文の中で読点がかなり多く、流れるような文体が面白い。一人称複数の語りで進む上に、時々太字や括弧書きで各自の科白や意見が挟まる。その場にいる全ての人の思考を覗き見ているような視点が面白い。 考察し始めるとすごく奥が深い筆致で、この作品ひとつで論文が書けそうだなぁと思ってしまう。 認知症を発症してから進行していくまでの描写は、認知症を患った親族が居る身としてはとても苦しかった。特にべラヴィスタの章。 訳者あとがきに記されているジュリー・オオツカの言葉(ユーモアと悲しみはコインの両面だ)の通り、作品全体の雰囲気は重さ苦しみ一辺倒ではなく、軽くユーモアを交えて表現されている。 静謐と軽快と痛切が絶妙なバランスで配置されていて、とても素晴らし作品だった。 - 2026年1月17日
湯気を食べるくどうれいん読み終わったすごく読みやすくて、出来たてのごはんが食べたくなるエッセイ。 最近は図書館で借りて読んだ本の中から、また読み返したくなる作品を買うようにしていて、結果この本は絶対に本棚に必要!となった。とっても良かった。 くどうれいんさんの作品は『うたうおばけ』を以前に読んだことがあり、文章を読ませるのがとてもお上手だなぁという印象だった。個性が光る眼差しで物事を捉えているのに、読者が共感しユーモアを感じる筆致で書かれていてするすると読める。人気があるのも納得。 エッセイというジャンルは著者の関心を主軸に展開されるので、そこが刺さるかどうかで個人的には評価が揺れがち。 その点、今回の『湯気を食べる』はどんぴしゃに好きなテーマで最高だった。なんてったってどのページも美味しいごはん、満足度の高い自炊、旬の食材で溢れかえっている。とりあえず一番実践しやすそうなたまご丼を作ってみたくなったし、東北の美味しい食べ物達をたくさん知ってしまったので、お取り寄せしてみたくなった。 好きな一文(抜粋) 「食っていう字はね、『食べると人が良くなる』とおぼえてね。たくさん食べて、たくさんいい人になりましょう」 - 2026年1月16日
リデルハウスの子どもたち佐原ひかり読み終わったずっと気になってた本! 大人も子どもも楽しめる、素敵な児童文学だった。 全寮制の名門校リデルハウスが舞台。どこか懐かしい要素(あしながおじさんやハリー・ポッター)がそこかしこに散りばめられていて、世界観に惹き込まれる。その上、少し不思議な出来事が起こる中で友情を育んでいくアモニカ達の様子や、個性豊かな人物像の描写がとても良い! 欲を言えば、とっっても魅力的な設定だからこそもっと日々の小さな出来事をたくさん読みたかったな……!という気持ちが少々。ハロウィンや定期試験、卒業パーティーも彼等が健やかに楽しく過ごしている様をもっと読みたかった。 最後まで読んでから表紙を見るとああ!となる仕掛けが嬉しい。番外編読みたさはあれど、全体的なお話のまとまりが良くて爽やかな読後感を味わえる。私は特に『木曜日は真夜中に』が好きでした。 - 2026年1月14日
その裁きは死アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わったスーザン・ライランドシリーズと交互に読み進めている。一方を読む度にこっちのシリーズの方が好きかも……と気持ちが揺らぐ。 今回のホーソーンも相変わらずキレキレで、時々垣間見える子どもっぽさやホロヴィッツとの掛け合い含めて面白い作品だった!もちろん、事件解決までの奇を衒わず進行する著者らしい話しの運び方も最高。 個人的に、怪しいなと直感だけで疑っていた人物が当たってたのは嬉しかった!とはいえ、全然推理は上手くいかなかったので、後半の謎解きでは2転3転と転がされつつ、かなりスッキリ。 本作の事件とは別に、徐々に示されるホーソーンの人物像にも目が離せない。かなりアクの強い存在なのにどこか憎めない彼が、今後ホロヴィッツとどんなバディになっていくのかも注目していきたい。まあ、あまり変わらない気もする……。 - 2026年1月10日
夜明けまでに誰かがホリー・ジャクソン,服部京子読み終わった「最悪」を作り出すのが上手すぎる!最高!! 前作シリーズの展開がかなり刺さって、読むのを楽しみにしていた今作。 同じ女子学生とはいえ、ピップとはかなり違うタイプの主人公・レッド。過去の出来事が原因で精神的に不安定な所がある。思考がまとまらないことも多々ある為、その流れを上手く掴めない序盤の文章はなかなか飲み込みにくい場面もあった。 徐々にスリリングな状況が動き出す中で、多くの読者が不快感を覚える言動を繰り返す人物が一人。それに従わなければならない流れが読んでいてとても苛立つのだけど、その結果引き起こされる中盤の描写で物語が一気に加速する。 中盤から最後まで続く緊迫感が本当にすごい!かじりついて読んだ。ある程度予想できる展開もあれど、そこから更に絶望と恐怖を増し増しトッピングしてくる。もーーーほんとに、面白い!皆に読んで欲しい!一緒に苦しくなろう。 解説にもあるけど、537ページの最後の一文がこの作品の肝になっているなぁと心底思う。 「罪悪感」という、誰もが目を背けたくなる感情をここまで真摯に描ききった物語が、YA小説として今の世に出たことが嬉しい。ただスリリングなだけではなく、心の成長にも繋がる作品だと思う。 以下余談: カーテンの柄って結局何だったんだろう? 「YES」が誰だったのかも知りたい。 - 2026年1月7日
カササギ殺人事件<下>アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わったようやく読了!上下巻の本格長編ミステリ、かなり満足度の高い作品だった。 中身はかなり精緻な構造で、解説によると構想15年とのこと。あまりにも丁寧な進行するので、メモ書きしながら読んでいったほうがいいかな……と途中から若干後悔した。続編はメモをとっていきたい。 1950年代の英国の田舎町を舞台とする謎解きと現代のイギリスで起こる殺人事件が交錯する、という筋書きは、それだけでワクワクする。その上ホロヴィッツらしいウィットに富んだ文章と名作のオマージュを加えて調理された日には、面白くないわけがない! とはいえ、犯人探しの道筋はひっかけやノイズがいくつも混じっているので、ミステリ慣れしていない私は最後まで真相が分からなかった。推理が展開されるとああ!となるものの、実はこの怪しい行動は殺人事件とは何の関わりもなかった的なオチがあったりするので、ガクッとしたり。その感覚含めて楽しいけど、もっと明晰な頭脳があれば……!と悔しかったりもする。 あと、アガサ・クリスティやコナン・ドイルの有名な作品をきちんと原作で読んだ記憶があまり無いので(メディアミックスはいくつか履修済)、知っていれば面白い箇所も多いのだろうと思うと残念。これを機に名作も読んでいきたい。 何にせよ、ホーソーン&ホロヴィッツと同じくらい楽しみなシリーズが出来て嬉しい! - 2026年1月5日
カササギ殺人事件<上>アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わった下巻に感想の詳細は記載予定。 全くネタバレを踏まずに読み始めたので、ここで上巻区切るんだ?!という驚きが大きい。 作品の中に作品があるタイプかな?と思いながら読んでいたものの、結構がっつりピュントの話が続くから段々その謎を追うのにのめり込んでいった。 下巻もこのまま読み進める。楽しみ! - 2026年1月2日
MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY上出遼平,仲野太賀,阿部裕介読み終わった新年1冊目、めっちゃ面白かった〜!!大河ドラマで主演を務める仲野太賀さんも出てくるので、良いタイミングで読めたことも嬉しい。 基本小説に偏って読書しがちなので、今年は色んなジャンルの本も読んでみたいと思い手に取った。 まず装丁がとてもオシャレ。タイトルも素敵。 文章を上出さん、写真を阿部さん仲野さんが担当。読みやすく軽やかな文章で、思わず3人と一緒にネパールを旅しているかのような錯覚を覚えてしまう。 深刻に描かれていないものの、道中はなかなかに大変そうで、これを読んでヒマラヤの谷に私自身が旅するかと聞かれると悩むレベル。 作中撮影された写真はどれも自然の荒々しい美しさがある。現地の人々の生活風景含めて、訪れた人にしか味わえないものがある。本書はそうした合理性の無い感動を、お裾分けしてもらえる一冊である。 あつあつのアップルモモを食べたくてたまらなくなること請け合い! 好きな一節 「完全に安全な場所はない。あらゆる土地に固有のリスクがあり、リスクの少ない土地には人間が集まり、人間が集まればそこには新たなリスクが生まれる。では、住むべき土地はどこなのかーー」 上出さんなりのアンサー含めて、とても考えさせられる場面だった。 - 2025年12月31日
読み終わった年内ラストの本。 ちょくちょく寝る前に読んでいて、残り3篇くらいを残していたので一気に読み進めた。 後ろにある、「食卓をめぐる7つの感動の物語」という紹介にはそうかな……??と少し疑問を抱きつつ、全体的には食をテーマに人と人との関係性や想いが小川糸さんらしい筆致で描かれていて、面白かった。 解説でも破調と評される「ポルクの晩餐」は、上記の疑問を抱いた一番の問題作(?)だけど、このお話が間に挟まることで単純な心温まる食べ物小説とは一線を画す作品になっている気もする。 小川糸さんの作品には和やかな流れの中に突如現れる露悪的描写にびっくりさせられるけど、その個性含めて一筋縄ではいかない所が魅力。 個人的に好きだったのは「さよなら松茸」でした。
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