

和月
@wanotsuki
マイペースに読みます📚
- 2026年1月10日
夜明けまでに誰かがホリー・ジャクソン,服部京子読み終わった「最悪」を作り出すのが上手すぎる!最高!! 前作シリーズの展開がかなり刺さって、読むのを楽しみにしていた今作。 同じ女子学生とはいえ、ピップとはかなり違うタイプの主人公・レッド。過去の出来事が原因で精神的に不安定な所がある。思考がまとまらないことも多々ある為、その流れを上手く掴めない序盤の文章はなかなか飲み込みにくい場面もあった。 徐々にスリリングな状況が動き出す中で、多くの読者が不快感を覚える言動を繰り返す人物が一人。それに従わなければならない流れが読んでいてとても苛立つのだけど、その結果引き起こされる中盤の描写で物語が一気に加速する。 中盤から最後まで続く緊迫感が本当にすごい!かじりついて読んだ。ある程度予想できる展開もあれど、そこから更に絶望と恐怖を増し増しトッピングしてくる。もーーーほんとに、面白い!皆に読んで欲しい!一緒に苦しくなろう。 解説にもあるけど、537ページの最後の一文がこの作品の肝になっているなぁと心底思う。 「罪悪感」という、誰もが目を背けたくなる感情をここまで真摯に描ききった物語が、YA小説として今の世に出たことが嬉しい。ただスリリングなだけではなく、心の成長にも繋がる作品だと思う。 以下余談: カーテンの柄って結局何だったんだろう? 「YES」が誰だったのかも知りたい。 - 2026年1月7日
カササギ殺人事件<下>アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わったようやく読了!上下巻の本格長編ミステリ、かなり満足度の高い作品だった。 中身はかなり精緻な構造で、解説によると構想15年とのこと。あまりにも丁寧な進行するので、メモ書きしながら読んでいったほうがいいかな……と途中から若干後悔した。続編はメモをとっていきたい。 1950年代の英国の田舎町を舞台とする謎解きと現代のイギリスで起こる殺人事件が交錯する、という筋書きは、それだけでワクワクする。その上ホロヴィッツらしいウィットに富んだ文章と名作のオマージュを加えて調理された日には、面白くないわけがない! とはいえ、犯人探しの道筋はひっかけやノイズがいくつも混じっているので、ミステリ慣れしていない私は最後まで真相が分からなかった。推理が展開されるとああ!となるものの、実はこの怪しい行動は殺人事件とは何の関わりもなかった的なオチがあったりするので、ガクッとしたり。その感覚含めて楽しいけど、もっと明晰な頭脳があれば……!と悔しかったりもする。 あと、アガサ・クリスティやコナン・ドイルの有名な作品をきちんと原作で読んだ記憶があまり無いので(メディアミックスはいくつか履修済)、知っていれば面白い箇所も多いのだろうと思うと残念。これを機に名作も読んでいきたい。 何にせよ、ホーソーン&ホロヴィッツと同じくらい楽しみなシリーズが出来て嬉しい! - 2026年1月5日
カササギ殺人事件<上>アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わった下巻に感想の詳細は記載予定。 全くネタバレを踏まずに読み始めたので、ここで上巻区切るんだ?!という驚きが大きい。 作品の中に作品があるタイプかな?と思いながら読んでいたものの、結構がっつりピュントの話が続くから段々その謎を追うのにのめり込んでいった。 下巻もこのまま読み進める。楽しみ! - 2026年1月2日
MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY上出遼平,仲野太賀,阿部裕介読み終わった新年1冊目、めっちゃ面白かった〜!!大河ドラマで主演を務める仲野太賀さんも出てくるので、良いタイミングで読めたことも嬉しい。 基本小説に偏って読書しがちなので、今年は色んなジャンルの本も読んでみたいと思い手に取った。 まず装丁がとてもオシャレ。タイトルも素敵。 文章を上出さん、写真を阿部さん仲野さんが担当。読みやすく軽やかな文章で、思わず3人と一緒にネパールを旅しているかのような錯覚を覚えてしまう。 深刻に描かれていないものの、道中はなかなかに大変そうで、これを読んでヒマラヤの谷に私自身が旅するかと聞かれると悩むレベル。 作中撮影された写真はどれも自然の荒々しい美しさがある。現地の人々の生活風景含めて、訪れた人にしか味わえないものがある。本書はそうした合理性の無い感動を、お裾分けしてもらえる一冊である。 あつあつのアップルモモを食べたくてたまらなくなること請け合い! 好きな一節 「完全に安全な場所はない。あらゆる土地に固有のリスクがあり、リスクの少ない土地には人間が集まり、人間が集まればそこには新たなリスクが生まれる。では、住むべき土地はどこなのかーー」 上出さんなりのアンサー含めて、とても考えさせられる場面だった。 - 2025年12月31日
読み終わった年内ラストの本。 ちょくちょく寝る前に読んでいて、残り3篇くらいを残していたので一気に読み進めた。 後ろにある、「食卓をめぐる7つの感動の物語」という紹介にはそうかな……??と少し疑問を抱きつつ、全体的には食をテーマに人と人との関係性や想いが小川糸さんらしい筆致で描かれていて、面白かった。 解説でも破調と評される「ポルクの晩餐」は、上記の疑問を抱いた一番の問題作(?)だけど、このお話が間に挟まることで単純な心温まる食べ物小説とは一線を画す作品になっている気もする。 小川糸さんの作品には和やかな流れの中に突如現れる露悪的描写にびっくりさせられるけど、その個性含めて一筋縄ではいかない所が魅力。 個人的に好きだったのは「さよなら松茸」でした。 - 2025年12月28日
成瀬は信じた道をいく宮島未奈読み終わった面白かった〜! 1巻以上にさくさく読んでしまった。より面白さが増している気がする。 読み終わった方には通じるかもしれないけど、すっごくベストタイミングで読み終えて嬉しい! 個人的には「やめたいクレーマー」と「コンビーフはうまい」が特に好き!あと1巻と2巻の最後の章は対になっているように感じて、著者の構成力の上手さに脱帽した。 このシリーズ、成瀬の存在で少し薄れるけどあなたもかなり面白い癖のある性格してますよ、と声を掛けたくなる人ばかりが登場する。そんな人達と成瀬の交流で生まれる化学反応が読んでいて飽きない。 次が最終巻なのがとても寂しい!けど次の成瀬の活躍も今から楽しみで仕方がない。 - 2025年12月27日
さんかく千早茜読み終わった友人から薦められて購入、読了。 元々あらすじは知っていて、男女の拗れた関係が主軸なのかな……と遠ざけてしまっていた。 全編を通してずっと美味しそうな食べ物達が登場するのでとても食欲が刺激される作品だった。 タイトルの通り、3人の男女視点で物語が進んでいくので、それぞれの考え方や悩みが異なり面白かった。 食に対する考え方は伊東くんに近いけど、私は高村さんと華ちゃんサイドに感情移入して読みがちだったので、伊東くんにはちょくちょく物申したい気持ちを抱えていた。彼の何とも言えない憎めなさを含めて、もう!となる。そこも魅力。 あけぼのご飯というものを初めて知って、作ってみたくなった! あと、文庫についていた表紙や作中に登場する資生堂パーラーのいちごパフェ。ちょうど銀ブラしようと計画していたタイミングだったので読書中に聖地巡礼もできて大満足。 読み終わったあと、日常のごはんを大切に味わいたくなる作品だった。
- 2025年12月25日
月の影 影の海(下) 十二国記小野不由美読み終わった観劇前日に読了!どんな風にミュージカルとして再構築されるのか楽しみ。 上巻とは打って変わって光が射す展開。前半部分でどん底まで落とすことで、裏切り傷つけられ続けた陽子は他者を信じられなくなる。 疑心暗鬼の状況で現れる楽俊は、文庫の帯を見ている読者としては「信じていい存在だよ!」と陽子に訴えたくて仕方がない。荒みきった陽子にはその真心がなかなか届かず、ようやっと楽俊を「友」と認める場面は、読んでいて思わず泣いてしまった。 特に心に刺さったのは、楽俊や蒼猿との対話を経て陽子が自分の在り方を見つめ直す場面。 「陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることはなんの関係もないはずだ。」 裏切られることも信じてもらえないことも、辛いし寂しい。けれど、人生は他者の評価や感情で決定するのでは無い。自分が自分を信じ抜くこと。人間という種の愚かさや醜さを受け入れて、その中で強く生きること。 大人になってから初めて読んだけど、壮大なファンタジー小説の中にはとても心に響く主題あった。 陽子の人間的成長が主軸となっているからか、景麒救出はかなり大胆なカット割りがされていて、最後の余韻も含めて小野不由美先生の腕が光る作品だった。また楽俊に会いたい! あとがきによると続編は麒麟視点とのこと。新作短編集が出るまでに既刊読み進めて行きたいな。 - 2025年12月24日
月の影 影の海(上) 十二国記小野不由美読み終わった舞台化が決定してやっと読み始めた作品。ありとあらゆる読書好きの友人達からオススメされていたので、ようやく感想で盛り上がれると思うと嬉しい。 全体の感想は下巻に記載するとして、上巻の所感。 鼠がいると噂に聞いていたのに畜生(猿)しか出てこない。何でだよ!! とツッコミながら読み進めた上巻。 陽子のお父さんがかなり前時代的な人物像で嫌気が差しつつ、当初の陽子も主体性は無く受動的な性格・言動が多くて、こういうタイプの主人公か……と粛々と読み進めた。 世界を渡ってからは、どんどん過酷な状況に進んでいく陽子の姿がとても苦しかった。折れ線グラフで表すと上巻はずっっっと右肩下がりなので、ここを耐えて楽俊に会えるんだよきっと!と自分を鼓舞しながら読了。 下巻にどうか救いがありますように。 - 2025年12月21日
かがみの孤城辻村深月読み終わった心底、この作品を中学生の頃の私に読ませてあげたいと思う。 大人になった今読んでも、救われた気がして涙が出た。 こころちゃん達のような窮地に立たされなかったとしても、中学生ってすごく難しい年代だと思う。小学生より視野が広くなり、他者の言動や思惑に一段と敏感になるけれど、教室という狭いコミュニティに隔絶されていて逃げることが困難。ただその地域にいた同年代というだけで、馴染めないと排斥される。 あの独特の息苦しさや心の機微を、この作品はとても丁寧に描写していて、胸が打たれた。 例えば、こころちゃんから見る大人達。お母さんも喜多嶋先生も伊田先生も、こころちゃんを気遣って声をかけるけど、当初こころちゃんはどの言葉に対しても不信感を抱く。自分の言葉を信じていないのではないか。仕事だから形式上声をかけているだけではないか。そうして疑っていても、実際に裏切られると酷く傷付く。 疑わしいから期待しない。そもそも最初から信用しない。傷つかない為に割り切ったり、諦めたり、大人になると段々と身に付いていく受け止め方は、彼等にはまだ無い。 終始その純真な繊細さが、もう手に入らない姿のように感じられて、眩しくて痛くて尊かった。 スバルくんは少し大人に近付きつつあるのか、達観や諦念がチラつく時もあったけど、他の6人の影響もあって彼らしい着地点を見つけられて良かった。マサムネとスバルの会話は本当に泣いた。 好きな場面は、ウレシノがマサムネ達を校門で待つところ。ウレシノらしいおおらかさを感じて、この子が健やかに過ごせる世界で、また7人が揃って笑い合える日がくればいいなと思った。 年末にとても素敵な作品を読めてよかった! - 2025年12月15日
君のクイズ小川哲読み終わった小川哲さんがお話されている動画を見て、この方が書いている作品を読んでみたい!となり、1冊目として読みやすそうで手に取った本。 予想通りとても読みやすかったし、面白かった! テレビの特番でクイズ番組がやっていても、難問を瞬時に答える超人技に圧倒されてしまうことが多かったけど、この作品に出会って捉え方が変わった。 クイズって実はとてもストイックな競技なんだと知ることが出来たし、そうしたクイズプレイヤーの視点から、改めてクイズ番組を見てみたいと思えた。 物語の8割程度、主人公の過去回想とクイズ(謎)の真相に迫ろうとする推理で構成されていて、最終的に得られた答えよりもその過程の描写が良かった。 人は生きていく上で常に何かを選択して生きている。そこで生まれる問いには明確な答えは無く、私たちはどちらが正しかったのかを知らずに進むことしか出来ない。 けれど、クイズに正解した時、クイズの答えを探し当てた時。その「正解」は、回答を導いてくれたこれまでの人生全てを肯定してくれる。 好きな一文 「君は大事なものを失ったかもしれない。でも、何かを失うことで、別の何かを得ることもある。君は正解なんだ ━━━クイズが、そう言ってくれているみたいだった。」 未知の分野の魅力を存分に知ることが出来て、とても楽しい読書になった。 - 2025年12月13日
成瀬は天下を取りにいく宮島未奈読み終わった完結編が刊行されたのを機にやっと読んだ作品。 とても話題になっていたタイミングに読めていなかったのを後悔した……。 面白かったしさくさく読めたけど、どこか旬を逃したような読後感もあった。 コロナ禍の自由に身動きの取れない閉塞感や日々の孤独の中で、目標に向かって黙々と邁進する成瀬の姿に元気をもらった読者が目に浮かぶ。今読むと、そういえばアクリル板やマスク、リモートでの会議とか色々あったよね…と懐かしい気持ちになった。 それはそうと、成瀬あかりと成瀬に関わる周囲の人々のちょっと変わった日常はコミカルでテンポよく読めて、とても楽しめた! 島崎との掛け合いが好きなので「膳所から来ました」が特にお気に入り。 私もいつか滋賀でミシガンに乗りたいな。 - 2025年12月11日
おちゃめなパティジーン・ウェブスター,三角和代読み終わったくらはしれいさんの表紙に惹かれて借りた本。 結果とっても素敵で、読み終わってすぐに本屋さんで購入! 赤毛のアンや若草物語が好きな私にとってはすごく親しみやすい世界観だったし、何より主人公・パティの溌剌とした姿が魅力的! どの章も心が温まり、思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアに溢れた作品ばかりだった。 あとがきを読むと、なかなか復刊されず読むのが困難になりつつある作品だったようで、今回の新版が出たことで巡り会えて本当に良かったなと改めて感じた。 ウェブスターのデビュー作であるパティの大学編も新しい形で読めたら嬉しいな。 どれも好きだったけど、ばあばとじいじのハネムーン、銀のバックルはパティならではの実行力を感じて本当にお気に入り! 好きな一文 「ほんのちょっとしたことで人をしあわせにできるって、ふしぎじゃない?」 - 2025年12月7日
メインテーマは殺人アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わった2回読むとより楽しめる作品な気がする! 友人にオススメされて読み始めた本作。解説にあるとおり正にフェアプレイに則った構成が読んでいて清々しい。謎解きが下手くそな私は最後の答え合わせで何とも悔しかった。ヒントも答えも全部書いてあった!! でもミステリは悔しい思いをしてこそだと思っているので、そこもまた楽しめた。 作中に実在する人物が沢山出てくるので、現実と虚構の境目の曖昧さも面白い。その匙加減が絶妙で、著者が脚本家としても活動しているが故に書くことができる場面が良かった。 2巻はどういう風に始まるのか楽しみ!久しぶりに探偵もののシリーズでハマりそうな予感。 - 2025年11月24日
存在の耐えられない軽さミラン・クンデラ,千野栄一読み終わった内容理解がかなり難しかった!今でも理解しきれてはいないかも。 少しずつ読み進めていたけど、途中で違うのを読みつつ何とか読了した。 著者視点なのかな?神の視点からの語りが挟まる所が多々あり、愛や俗悪、心と身体に対する考え方が節々に詰め込まれていて、しっかりと読み込むと面白い。話の本筋から逸れているんじゃない?と思って読んでいくとまた物語の続きに戻っていくのが先が読めない楽しさがあった。 一番難解だったのがテレザがペトシーンの丘に行く場面。トマーシュが指示した描写はあるけれど、それ以後彼の視点ではその場面が回想されないので、おそらくはテレザの夢あるいは幻想だったのかな?何かを意味している気がするけど、今の私には読み解けない描写だった。 最終章のカレーニンの微笑あたりでやっと、面白いかも、と思い始めたので、やはり複数回読んでみる方がこの作品の真髄をもっと味わえるのかもしれない。 心に残った一文。 『人間の時間は輪になってめぐることはなく、直線に沿って前へと走るのである。これが人間が幸福になれない理由である。幸福は繰り返しへの憧れなのだからである。』 - 2025年11月16日
こんがり、パン津村記久子,穂村弘読み終わった昨日の夜に読み進めていて、今朝は絶対パンを食べる!という強い気持ちと共に目覚めた。 朝はチョコシュガーの食パン、昼は求肥の入った少し小ぶりなよもぎあんぱんと、デンマークチーズを丸1個のせたカスタード入りデニッシュ。古今東西のパンエッセイで鳴り止まなかった腹の虫も見事に満たされた読書体験でした。 たっぷり具材を挟むサンドイッチ推奨派もいれば、ひとつの具材を薄く食べやすく挟むサンドイッチでないと邪道、とする著者もいて、それぞれの至高のパンを知ることが出来て楽しかった! 江國香織さんの最後の一説がとても素敵で、四方田犬彦さんの日本パンにおける見解にハッとさせられ、萩昌弘さんの文章を読んで木村屋のあんパンが食べたくなった。 おいしい文藝シリーズ、他の作品も読んでみたいな。 - 2025年11月13日
つめたいよるに江國香織読み終わった図書館で借りて、少しずつ読み進めて読了。 江國香織さんの作品は読みたいと思いながらもなかなか出会えず、今回初めて読めた。 文章そのものがしずかで優しくて穏やかな雰囲気を纏っていて、すごく読み心地が良い。 死ぬこと、老いること、心が移り気であること等、マイナスに描かれることが多い描写も、著者の文章の中では優しさに満ちていて素敵。 食べ物の表現もどれも美味しそうに感じられて、他の作品ももっと読みたくなった! デュークとねぎを刻むが特に好き。 一等好きな一文。 『小さな食卓をととのえながら、私の孤独は私だけのものだ、と思った。』 - 2025年10月31日
受験生は謎解きに向かないホリー・ジャクソン,服部京子読み終わったハロウィンの夜にぴったりの前日譚だった! 主人公がマーダーミステリーに段々とのめり込んでいく姿が印象的。でもそもそも犯罪実録のポッドキャスト好きなピップが、犯人探しに対する関心が薄い訳ないよね、とも思った。このピップの異様なまでに真実を希求する人物像が、この後の本編に繋がっていくと思うと、苦しくなる。 本編とは違って、スマホ等の電子機器が使えない状況下で推理を進めていくのもすごく新鮮だった。 何より三部作を読んでからだと、それぞれの登場人物達の今後に思いを馳せてしまって、この短いお話の中の彼女たちにはもう戻れないことへの切なさを感じた。 また著者の新作も読んでいきたい! - 2025年10月31日
傲慢と善良辻村深月読み終わった無意識下の差別や歪んだ自己認識が読みやすい文章に詰め込まれていて、何度も読みながらダメージを負った。 「私ならここまで偏った考え方で発言はしないなあ」と登場人物の言動に引いている私もまた、傲慢と善良を併せ持っていているのだと実感する。 辻村先生の手腕で光を感じられるラストではあったけれど、現実を生きる私には同様の希望があるのだろうか。作中の女性達に近い年齢だからこそ、読んでいて辛い部分も多かった。 でも、自分に当てはめて、己の無自覚な傲慢さや世間知らずな部分を直視できる得難い読書体験だった。 - 2025年10月26日
卒業生には向かない真実ホリー・ジャクソン,服部京子読み終わった読み終わって出た第一声は「あぁ……。」だった。 あとがきにも書いていたけれど、第1作目からはかなり遠く離れた所に行き着いてしまった感覚。でも、この結末に来るべくして来たような気もする。 本作は第一部と第二部に分かれていて、第一部は姿が見えない、先の読めない恐ろしさがあった。第二部は辿り着いた展開に飲まれそうになり、追いかけられるような恐怖があった。 どちらも別のベクトルで苦しくて、前者は普段挟んでいる本の栞を使って次の一文が見えないように隠しながら読み進めた。どうなってしまうのかが怖くて。後者はむしろ追い立てられるかのようにページをめくる手が止まらなかった。 著者は最後に、この作品には彼女自身が体験した「怒り」を内包していると語っていた。物語の中盤にピップが下す選択・決断は、「どうして」と思ってしまいそうになる。でも、それは著者やピップが感じた怒りも絶望も経験していないから言えることなんだと思う。 完璧で絶対的な正義なんて存在しない。同じ正義を掲げる人間の数や権力、地位、信じてくれる人がどれだけ周りにいるかで簡単に白にも黒にも変わる。 この作品は、その苦しみと偉大さをどちらも読み手に教えてくれる。本当に辛い展開だったけれど、読んでよかった。出会えて良かった!
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