
ユメ
@yume_bookworm
2026年8月29日

ともだちは緑のにおい
工藤直子,
長新太
読み終わった
感想
姉妹作『ともだちは海のにおい』は幼少期からの愛読書なのだが、本書の方はなぜか読む機会がなかった。だが、先日、星野道夫さんのアラスカの自宅の蔵書リストに2冊揃ってタイトルが並んでいるのを目にし、『ともだちは緑のにおい』も読んでみることに。そうしたら、こちらの物語もたちまち大好きになった。
『ともだちは海のにおい』に出てくるいるかとくじらは、性格も趣味も異なるものの、どこか似た雰囲気を纏っているような印象を受ける。一方、本書に登場するライオンとろばとかたつむりは、もっとバラバラな印象だ(生物の種があまりにかけ離れているからかもしれない)。
けれど彼らも、いるかとくじらのように、優しく柔らかな友情を育んでゆく。まったく異なる者同士が互いを尊重し合って親交を深めてゆく姿の、なんと尊いことか。三人が「永遠の友情」について語らうシーンには心を洗われた。
物語全体を通して、草原に吹く風の清々しさや、瑞々しい草の匂いが感じられたような気がする。
これからは、『ともだちは海のにおい』だけでなく、『ともだちは緑のにおい』も繰り返し読み返すことになるだろう。私の心の中にいるかとくじらの泳ぐ海があるように、ライオンとろばとかたつむりが遊ぶ草原もあったらいい。

