花春 "失せ物屋お百" 2026年9月16日

花春
花春
@haru-tuge
2026年9月16日
失せ物屋お百
失せ物屋お百
おとないちあき,
廣嶋玲子
山神さまの鱗を目の中に宿してしまったせいで散々な人生を送ってきた女性が、異能を使って強く逞しく意地汚く、依頼された事件を解決するお江戸もの。 因果応報の連作サスペンスで、この作者さんの得意とする構図だな〜!という感じ! 大人向けなぶん児童書で描かれている作品たちよりも設定も描写も容赦がなくて、でもポプラ文庫なのでただ胸糞悪いだけではなく読後感は爽快で前向き。作品全体でバランスが取れているのは、さすがの筆力だなあ…! 主人公のお百は生まれついての異能に振り回され、虐待への恐怖が未だに根深かったり、女郎屋に売られていた過去があったりして人間不信が根深いのだけれど、山神さまの鱗を取り戻すために人里に降りてきた子たぬきの焦茶丸と出会うことで、他者と深く関わり、ポジティブな関係性を築くことを覚えてゆく。 セルフネグレクトをしていた女性が少しずつ変わってゆく姿が描かれることで、胸糞悪くて落ち込むだけの作風ではなくなっている。 異様なまでに役になりきってしまう役者、理想の人形を作り出すために墓荒らしをする人形作家、望まぬ妊娠をしてしまった娘たちのために地獄に落ちる覚悟を持って子堕ろしを請け負う尼姿の女医…など、「化け物長屋」に住むサブキャラたちのキャラも濃い。 一般の通念から外れて、でも自分らしくしか生きられない彼らも、化け物長屋という社会のすみっこで、社会の中で生きているという設定も、どこかやさしく感じられる。 シリーズ2巻しかまだ出てないぽくて、2巻目が2020年なんだよなあ。続き出ないのかな〜!? もっと読みたい!
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