きらた "かがみのもり (光文社文庫 ..." 2026年9月17日

きらた
きらた
@kirata
2026年9月17日
かがみのもり (光文社文庫 お 43-3)
神社の裏山で中学生たちが偶然見つけたのは、失われたはずの奥宮 彼らが撮ったその写真を見た新米教師の片野は、絢爛豪華なその装飾に歴史的価値の可能性を感じた 朽ちさせるには忍びなく、しかし立ち入り禁止の神域と言われる森の中での発見なので、おいそれと周りに告げるわけにも行かない しかも、見つけた少年らも迷った先で見つけたので、場所の詳細はわからないらしい 兎も角、知ってしまったからには知らぬ顔は出来ないと、片野は少年らと行動を共にするのだが、そんな片野らの前に不審な男たちが現れ始め── YA或いはジュブナイル的な作品で、中学校の新米教師の視点で語られる初夏の冒険譚 ありがちな導入や設定ではありますが、誰もが何処かに懐かしさを感じるような、間口の広さみたいなものがこの手のジャンルには必要だと思っているので問題なし 他のジュブナイルと違うと感じたのは、主人公が新米教師となっている点かな? とは言え、若い教師もジュブナイルとの親和性は高いので気にはなりませんでした 寧ろ、この土地にはあまり詳しくない新米教師の視点で語られるので、彼が感じる様々な戸惑いや疑念、躊躇等が伝わりやすく、読み手が上手く話に入り込めるようになっているのではなかろうか? また、大人視点なので人間関係も大人相手になり、それ相応の対応やら対処やら駆け引きも発生するので、爽やかだけで済まない世界が表現出来てるのもニクい(褒めてる) 大崎梢作品らしく(!?)話としては平和にきれいに穏やかに収まりはしたのですが、苦味も教訓も差し挟まれているのが流石だなぁと思った次第 私の中で大崎梢作品は、読むと穏やかさをもたらしてくれるとの認識なのですが、本作もそんな位置にあった気がします 甘くて優しいだけじゃないんだけど、最終的には優しく撫でられたかのような、何処か癒された気もする、そんな読み心地を感じる話 だから定期的に大崎梢作品を読みたくなるのかも知れない
かがみのもり (光文社文庫 お 43-3)
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