ユメ "ふしぎな木の実の料理法" 2026年8月30日

ユメ
ユメ
@yume_bookworm
2026年8月30日
ふしぎな木の実の料理法
岡田淳さんの他の作品は昔読んだことがあるのだが、『こそあどの森の物語』シリーズは未読だった。これからは、子どもの頃に読みそびれてしまった児童文学もどんどん読んでいきたいと思っていて、ポケット版の刊行を機に本シリーズにも手を伸ばしてみることに。その結果、大好きな本がまた一冊増えた。 主人公のスキッパーは、バーバさんと二人で「こそあどの森」の「ウニマル」と呼ばれている家に住んでいる。バーバさんは現在、博物学の調査のために南の島へ出かけていて、スキッパーはひとり留守番中。ある日、バーバさんが「ポアポア」という不思議な木の実を送ってきたことをきっかけに、スキッパーはその料理法を求めて森の他の住人を訪ねて回ることになる。 ひとと喋ることが極端に苦手で、バーバさん以外との関わりを避けていたスキッパーが、徐々に他者に心を開いてゆく様に温かな気持ちになった。その姿は、雪の季節に始まった物語が、春に結ばれるのにも重なる。 トマトさん流のジャムの作り方は本当に素敵だ。森の住人たちが一堂に会してジャム入りの紅茶を飲むシーンでは、私の心にも春の幸せな風が吹き抜けたような思いがし、滅多に笑わないスキッパーが微笑むのに合わせて、私も思わず眦を下げていた。 作中、「ウニマル」を筆頭に登場人物たちの暮らす家の見取り図が挿絵になっているのにもワクワクし、楽しい読書の時間をすごすことができた。
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