
プールに降る雨
@amewayamanai
2026年9月18日
大江健三郎全小説 第7巻
大江健三郎
読み終わった
『洪水はわが魂に及び』読了。
大江健三郎の小説は読むのに時間がかかる。行間を埋め尽くすように緊密に構築された文体であるということにくわえて、作品世界のリアリティの水準が見極めがたく、何が起こるかが予測しづらい。要は、油断がならない。
文体や世間的なイメージがかけ離れているから気づかなかったけど、象徴的なモチーフを配置しながら興味を惹く回想や挿話を交えつつ、現実のうらおもてをひっくり返すような独自の世界観を描く作家という意味で村上春樹を連想した。
謎と緊張感のある前半に比べて、舞台設定の全容が明らかになったあとの後半は、「自由航海団」の不毛な内輪もめが延々とつづいて、はやく何か起こってくれよと思ったけど、ラストのラストに向かう最後の数章の盛り上がりのための長い前振りだったのかもしれない。タランティーノの『デス・プルーフin グラインドハウス』みたいな。
今後、食材がほんとうに何もないときは、ゆでたスパゲッティにバターをからめて粉チーズをかけただけのものを食べてみたい。

