
つつじ
@m_tsutsuji0815
2026年9月20日
ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦
高橋杉雄編著,
高橋杉雄・編著
読み終わった
"つまり、NATO拡大そのものが、ロシア・ウクライナ戦争に至る道筋における対立の悪化の「原因」となったのではない。「原因」は独自の「極」であることを希求するロシアのアイデンティティであり、そのアイデンティティが故に、ロシアは米欧と対立することになり、NATO拡大が脅威と見なされたのである。
しかし、東欧諸国が既に「ヨーロッパの一部」になることを選んだ以上、旧ソ連圏を単純に再建することはできないし、東欧諸国を除く旧ソ連諸国のみで勢力圏を構築してもそれは冷戦期のソ連圏の劣化コピーにしかならない。"
"この一連のプロセスの中で最も重要な要素は、パワーと言うよりも、「自分が何者であるか」という自己認識、すなわちアイデンティティであった。"
プーチンの脳内世界の問題を解決しない限りウクライナ戦争は終わらない
"外交は「落とし所」がある状況で機能する。アイデンティティを巡る対立のように、「落とし所」がない状況においては、外交によって相手国との関係を改善して紛争を回避することは難しい。話し合いによる妥協がそもそも成立しないからである。
そうした状況における外交の重要な役割は、対立する相手と話し合うことではなく、むしろ自らのパートナーを増やし、抑止力を強化したり、万一抑止が破れて紛争になってしまったとしても自らが有利な位置にいられるような形で世界各国との関係を構築しておくこととなる。ロシア・ウクライナ戦争におけるウクライナや米国の外交は、実際にはこの後者の役割が大きかった。"
敵と話し合って世界平和を目指すような時代ではなくなってしまったんだなあ……


つつじ
@m_tsutsuji0815
"代理戦争としてよく言われるのは、「米国がウクライナを代理としてロシアと戦わせている」という言説である。これはまず事実と反する。2022年2月24日に戦争を始めたのはロシアであって、ウクライナではない。ウクライナは、侵攻してきたロシアに対して、自らの意思で戦っている。米国は、戦うことを選択したウクライナから、支援を要請されたから支援しているのであり、戦う意思を持たないウクライナを先導して自らの「代理」として戦わせているわけではない。"
"なぜならば、米軍が介入しようと、NATOが介入しようと、あるいは核兵器が使われたとしても、戦場がウクライナ周辺に留まっている限りは、それは定義上「世界大戦」ではないからである。"
"戦域がウクライナに留まっているにもかかわらずそれを「世界大戦」と呼ぶのだとしたら、それはヨーロッパ偏重の世界観と言わざるを得ない。"
エマニュエル・トッド『第三次世界大戦はもう始まっている』の世界観を少し中立に近づけられたかと思う