
じょるじゅ。
@kameupaupa
2026年9月20日
少女地獄
夢野久作
読み終わった
今回は『少女地獄』を拝読。本書で改めて、夢野久作って女性の心理を描くのが上手すぎるな…と強く思いました。
「少女地獄」に収録されている「何んでも無い」の姫草ユリ子は、とてつもない虚言癖の持ち主でした。でも、周囲の人物が言うように、憎めないんだよなぁと思わせてしまう人としての魅力。そういえば自分の身近にもそんな子がいたな…と思い出させられました。
「殺人リレー」では、相反する気持ちの中を揺れ動く女性の心情が非常によく表されていることに敬服いたしました。手紙をもらっている側からすれば「さっさと別れなさいよ、そんな男!!」なんですが、当事者は一度芽生えた愛情を「でも…」と言って捨てないんですよね。
「火星の女」は、解説の方が「何よりも「火星の女」は徹底して孤独であるべきではなかったか」(p.270)と書かれていましたが、孤独な世界でただ一人存在していた愛する人のために、あんな大仕掛けな悪戯を企てたはずです。もし本当に孤独だったら、生きるのも死ぬのも億劫だったでしょうから。
夢野久作の目線は、常に立場の弱い人に置かれています。なので、女性が不利な立場にあるのを十二分に分かっているからこそ、カッコいい女性も狂気に満ちた女性も、魅力的な人物に映るのでは…と思いました。
さて、次はどの作品を読もうかなぁ。

