
雨
@little_rain
2026年9月21日

スナックバス江 1
フォビドゥン澁川
日記
わたしは就寝前の脳内しりとりを習慣としている。
ただし、後ろから2文字目を次の語の頭とするルールである。SNSで仕入れたライフハックで、つまんねぇがこれをやってるうちに大抵眠れる。
その晩も『スナックバス江』を少し読んだ後、つまんねぇ就眠儀式を始めた。
スナック→つまみ→マイク→陰謀→ボッタクリ……というように。
ボッタクリ、栗……食べられない栗……しりとりそっちのけで連想が始まってしまった、こうなるとなかなか寝付けないのだ。
漫画にやたらとなぞなぞネタが出てきたからだろう。
折良く母親が通り掛かったので、謎掛けをした。
命を取らないスフィンクスである。
「なぞなぞです、栗は栗でも食べられない栗はなーんだ」
「びっくり」
平生の母からすると、驚くほど穏当な解だ。
若干動揺しながらも「確かにそれも解の一つだね、ちなみにわたしの想定回答はボッタクリ、ひったくりなどでした」と応えた。
「それは、穏やかではないね」
その通りだ、事実「びっくり」など思い付きもしなかったのだ。
弁明するように食べられない栗候補を列挙してみた
「……あとは、しゃっくりとか、とっくりとか」
母は「しゃっくり」と繰り返した。
ひとまず思い付いてしまったなぞなぞを披露できたので眠りにつくことにした。
「じゃ、おやすみなさい」
「おやすみ」
目を瞑ってから思った。
「パンはパンでも食べられないパンの解も無数に有るのでは……?」と。