
ジクロロ
@jirowcrew
2026年9月22日
攻殻機動隊(1)
士郎正宗
読んでる
「ロボット達は自ら『故障』する事によって人間を攻撃する許可を創り出すんです。」
「愛玩用と工業用は特にひどい。モデルチェンジで新製品が次々と購入、廃棄されてゆく」
(『06 ROBOT RONDO 2029.10.1)
『ハムレットが思い浮かぶ。
ハムレットは自ら壊れたロボットの役を引き受ける。
「ホレイショー、この天地のあいだには、人間の学問などの夢にも思いおよばぬことが、いくらでもあるのだ。……さ、ここで、さっきも同様、断じて、神の慈悲がお望みならーーいかにぼくが奇妙奇天烈な振る舞いを見せようと、これからは多分、気違いの振りをしたほうがいいと思える時があろうからーー」
「世の中の関節は外れてしまった。ああ、なんと呪われた因果か、それを直すために生まれついたとは!」
(『ハムレット』 シェイクスピア 第1幕 第5場)
人間でなくとも、ロボットでなくとも、『故障』は訪れる。
しかし意図的な故障ほど悲劇的なことはない。
「取り替えのきく」と思う人間が行き過ぎると、「取り替えのきかない」人間が立ち上がる。
後者は前者にとって「故障」と映る。
しかし後者が取り戻したいものは、純粋な、生来的な愛のようなもの。
その行為が醜く映るのは、不器用と言わざるをえないその手段にフォーカスが当てられるからではないかと思う。
こういったドラマが一人の人間のうちになされるとき、統合失調症という病となるのかもしれない。
"ダブルバインド理論とは、そうではなく、変換形生成の規則に生じる何らかのもつれについてーーそしてそれらのもつれが獲得または育成されていくプロセスについてーー論じるものである。それが主張するのは、統合失調症的行動パターンと、それに関係する、ユーモア、芸術、詩を生み出す行動パターンの決定に経験的要因があずかるということだ。"
(『精神の生態学へ(中)』 ベイトソン 「ダブルバインド,1969)
そして「故障」(もつれ)に対するクリアな感受性と使命感(メッセージを受け取り、ちゃんと応える心構え)がなければ、ユーモアも芸術も、最悪の事態(クライマックス)としての破壊行為も、顕現することはないということ。

