
ずんだき
@zundamochi
2026年9月22日
岩に立つ
三浦綾子
読み終わった
恩師に薦められた1冊。
人情に熱い、正義感に溢れた真っ直ぐな一人の男性の人生のお話だった。
主人公自身が自身の生涯を語るこの作品が読者に伝えたいことは何かを考えながら読んだ。主人公の生き様から、キリスト教の教えに基づいた「正しさ」の中で、本質を見失わず、全員を平等に扱う生き方の例を教えてくれるものに思う。「氷点」の陽子のような考え方は清らかで純粋すぎて真似できそうにないが、この主人公はとても人間らしく親しみを感じる。戦時中の命令に対しても、無駄なことはせず合理的に考えながら機転を効かせて乗り越えている姿に、常に目的を考えて行動する大切さを教えられた。
主人公は小さな頃から苦労してきたからこそ、周りの人へ厳しくも愛のある優しい人という印象を受けた。芯があり自己主張はしっかりするが頑固とは違い、自身にとって新しい考えのキリスト教を受け入れる柔軟さや寛容さがある。
主人公が敵陣の民間人に聖書を見せて相手の警戒心を解いた姿に、聖書1つで国境や人種を超える力があることを実感した。戦争の敵のことを、街で仲良くなった人たちの父や兄であると表現していて、嫌いで憎い相手にも大切な人がいて、誰かに愛される存在であることを痛感した。それなのに、解釈によって対立した争いが終わらない現実世界に暗澹たる思いがする。
真っ直ぐさや正しさに触れたいときにまた読みたい。