らんぼるぎーに
@kouhei12319
2026年9月22日
白夜行
東野圭吾
読み終わった
ミステリーの名著と聞き、本書を手に取りました。
とある質屋の店主が不審な形で殺害されることを発端に、その死を取り巻く不可解な事件を被疑者以外の様々な関係者の視点から語られる一冊。
本書の特に惹かれるポイントは被疑者の感情描写が一切なく、第三者視点によってのみ輪郭を得ていくという構成。
読み始めは単純に誰が犯人なのか?と考えて読み進めていたが、次第に犯人は何を思っていたのか?をひたすら考えさせられるという不思議な体験。
被疑者は2名、雪穂は誰もが羨むようなエリート街道を進む一方で陰ながら雪穂のために悪事を続ける亮二という対比で物語は進行していく。
第三者視点によって、被疑者の行動は明らかになっていくが、明らかになればなるほど何を考えて生きているのか?という問いは深みにはまっていく。
結局人の心はその一挙手一投足を明らかにされたとしても理解を終えることはないのだと気付かされます。
これは同時に、世間一般的には恵まれない生活を送る亮二は雪穂と比べて不幸であったと言い切れるものではなく、それは当人によってのみ判断される他ないのだということなのでしょう。
人の心は分からないなんて当然であると知っているつもりが、人は気づけば簡単に動機や感情を断じ、同情や非難をしてしまう。
改めて人の気持ちに謙虚でいたいと感じさせてくれる一冊でした。

