
ジクロロ
@jirowcrew
2026年9月23日

曠野から
川田順造
読んでる
何週間かしてまたそこへ泊めてもらったとき、私はその歌の音頭とりをする、私のよく知っている青年に、今夜は子供たちの歌を録音させてもらいたいとたのんだ。青年はこころよく承諾してくれ、やがて合唱がはじまった。だが、青年も子供たちも、録音されているのを意識して、何だかむりにつくろって歌おうとしているようだった。私は、してはならないことをしたように思った。たった一晩にせよ、この子供たちの、かけがえのないたのしみを台なしにしたように思った。
(『声』)
「残そう」という思いは、「今」を台無しにする。写真を向けられることの虚しさもまた。
「残す」も「残される」も、冷静に考えるとどちらも不穏。
デジタルじゃなくてもタトゥー。
誰かの「今」を奪ってしまうような行為を、今一度点検する必要があると教えてくれた一文。

