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@bunkobonsuki
2026年9月24日

コモンの再生
内田樹
コモン(共同体)が失われた現代において、いかにコモンは再生しえるか。2010年代後半から2020年代前半にかけて、著者はさまざまな質問に答えていく。質問と応答、その繰り返しの中から現れる『コモンの再生』という輪郭。
コモンが生きていた時代の人の家は、綺麗な印象がある。昔、家の鍵を忘れて家に入れなくなった時、近所のお婆ちゃんが一時的に自宅へ入れてくれたことがある。おやつにジュースに、今思えば実に気前よく振舞ってくれた。
これまた別のお婆ちゃんのお話だが、遠いところに住んでいる祖母の家も清潔だった。「掃除なんてしてない」と言っていて、当時は謙遜だと思っていたが、もしかしたら本当に掃除していなかったのかもしれない。
コモンとは誰かを迎え入れることである。
だから見ず知らずの人間を家にあげることだってある。その時に粗相がないよう家の清潔に保つ必要があったのではないか。
いつ、誰が来ても良い準備。
それはコモンの美徳であり、時代の下り坂で失われた習慣であった。