まこ
@makoasai0635
2026年9月24日
えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる
小山田咲子
読み終わった
どんなに深くサンタクロースを信じた子どもでも、いずれはその正体を知り、枕もとにプレゼントの無いクリスマスの朝を迎えるようになる。でも目には見えない大きな不思議な存在を一度真っ直ぐに信じた事実は消えないし、それは同じ誠実さで他の何かを信じることができる場所を心の中に培うことだと思う。
p.62
年上の人間が年下の人間に、ただ「知らない」という理由だけで自分がちょっと垣間見た世の中の複雑さや辛さを見せようとするのは罪だと思う。(中略)できるのはただ、道の途中で息を切らし気味の人に、その時は楽しく歩いている人が給水所のありかとか景色のいい場所をちょっと教えてあげることくらいしか。「この先さらに坂」とか言われたら、歩く気も失せてしまう。
p.66
いろんな人と会って楽しいことも見つけて、ああ私が抱えているものなんて小さい小さい、と思える瞬間がいくつかあれば、生活はめちゃくちゃ救われる。(中略)悩みの真ん中にいる時は誰だって自分が世界でいちばんつらいし今まででいちばん悲しい。
p.67
でも、ひとりの時間を大切にすることと、ひとりの生活に慣れてしまうことは、全くの別の問題だと思う。悟った人間でないところの私はやっぱり結局自分ひとりじゃ新しくなれないし、日々の小さな活動ひとつひとつを反応してくれる相手がいないまま積み重ねてゆくのは空しいことだと思う。
完全なひとり暮らしなんて、長く続けるもんじゃない。どんなに楽ちんでも。
私たちはみんな宿命的に自分以外にはなれないのに、自分が自分である重さを実感として手に入れるために必死にひとりになろうとしたり、逆に誰かに必要とされようとあがきながらしか生きていけないのは、せつない。
やりたいことに真っ直ぐ向かう人は自分でも努力していると意識しないくらいの自然さで可視ふかしの努力をしていて、その前向きさは周りの状況すら自分に向いた方向にねじ込んでゆく強さを生むから、結果がついてくるのだと思う。
(中略)
人が本当に何かをやろうと決めた時にはそれを邪魔するような強大な壁って実はあんまりなくて、環境はむしろびっくりするような偶然を用意して背中を押してくれることも多い。
p.109
しかし、もう結構息苦しい。日常の雑事を全てとりあえず収めるべき場所に納めて(あるいはなかったことにして)深夜に荷物をまとめ、えいやっと部屋を飛び出す、あの一瞬をやっぱりどうしても愛してると思う。
p.97
他人と協力して、効率や生産性から遠く離れた作業に没頭することが大っぴらに許された時間をもてることが、学校という場所の財産かもしれない。