
ユメ
@yumeticmode
2025年4月5日

読み終わった
感想
ドラマファンが集う個人サイトのBBSで交流している人々が、それぞれの居住地のローカル食品を送り合う「おいしいもの便」の物語。
これでもかとばかりに各地のご当地食品が登場し、片っ端からメモしていったらリストがずらりと長くなった。どれもこれも美味しそうで食べてみたくなる。なかでも気になったのは、秋田の「万能つゆ 味どうらくの里」。なんと、本書の前に読んでいた本(角田光代さんのエッセイ『月夜の散歩』)にも出てきた調味料なのだ。こんな風にして思いがけない形で本と本が繋がるのも、読書の醍醐味のひとつ。
登場人物の中には私の出身地に住んでいる人もおり、その土地発の「おいしいもの便」の中身を見て、「そうそう、これは美味しいよね」と頷いたり、「これって全国流通していないの?!」と驚いたりした。
他の土地から送られてくる「おいしいもの便」の存在がキャラクターたちの日常に新しい風を吹きこみ、彼らの世界がひらけていく様に心が温まる。私も世界の解像度を上げていきたいなと思わされた。
十三湊さんの作品は以前に読んだ『ちどり亭にようこそ』もよかったので、他の本も読んでみたい。
