日乃塔詞 "火喰鳥を、喰う" 2026年9月25日

日乃塔詞
@hino_toushi
2026年9月25日
火喰鳥を、喰う
よくなかった、 何と言われれば紹介がだ。 とあるPodcastのパーソナリティが紹介しており、そのあらすじが琴線に触れたため読んだ 戦死後、現実を侵食し書き換えてくる伯祖父の念と現実を守主人公との戦いを描いた小説と聞いていたが、思った風ではない。 現実を侵食する死者の渇望とどう戦うのかと期待していたが、危機感を感じない調査場面がほとんどで、主人公の選択は降るとも止むとも知れない薄曇りの空のようで焦ったい。関係者が一人また一人と死ぬ中、どこで攻勢に転するのかと、形勢がひっくり返るカタルシスを求めてからページを捲った。 しかし、侵食される現実にずぅーっと振り回されるだけの主人公とそれを起こした犯人の推理を楽しむ話だとわかったのは、8割5分を過ぎた頃だった。 残るページ数が削られていくごとにカタルシスへの期待は失われ、ラストシーンで「あーね」と。 初めて自分の楽しみ方、期待していたものが間違っていたと知った。 最後の1行を終えたあと、記憶の中で、無色に見えたシーンに色がつくのを感じたが、再読する気は起きない。 紹介のされ方、出会い方が違っていれば面白く読めたに違いない。 キャラクターの焼死の様子には鳥肌が立ったし、身近なキャラの死には心が痛くなった。 平時と緊張感のあるシーンの書き分けもよく、読みやすく想像を掻き立てられた。 良い部分は列挙できるが、結論、僕には肩透かしの作品でした。 再読はできないと思うけど、この作者の別作品を読んでみようと思う。 今度は誰の紹介も受けずに。
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