
ジクロロ
@jirowcrew
2026年9月26日
ゴッホ〈自画像〉紀行
木下長宏
買った
自画像全点をざっと見ていくと、キャンパスの左右中央付近(高さ方向でいうと上から5分の2の高さに描かれているものが多い)に描かれている側の目に、その時々のゴッホ自身を見つめるまなざしというか態度があらわれているようにもおもえる。
というような絵の見方を意識して見直すと、絵の全体が置いてけぼりになり、その片目だけが浮き彫りになってくるというか、図像そのものとして単独でこちらに迫ってくるような気がして、若干おぞましい感じがする。
この感じは、ルドンの「サイクロプス」の絵を見ている感覚に等しい。またはどんなに顔や肉体が崩れていようとまっすぐに見ている側を射抜いてくるフランシス・ベイコンの肖像画に描かれた純粋なまなざしを見ているときの感覚にも似ている。
ゴッホの目が、自分の目の中で、その他の目とのつながりを生み出していく、目から触手が延びていく、不可思議な感覚へと。

