
辰巳
@divinus-jp
2026年9月27日
[増補版]言葉の贈り物
若松英輔
読み終わった
おすすめ
2016年に書き下ろしされたエッセイが2026年に増補版となった本。「読む」と「書く」についての言葉の贈り物。
若松英輔さんは映像やSNSでしか存じ上げないけれど、あのひとつひとつの言葉を選んでお話する声が聞こえてくるような気がする。
私は、占いに関わっていて、日ごと、ホロスコープを「読む」といい、タロット「リーディング」する、と称している。なので、占いに関わっていると読むことは毎日の訓練みたいになっている。
そして、ホロスコープにしてもタロットカードにしても、それはそこに書いてある言葉を読むわけではなく、象徴や記号というものを言葉にする作業。
この作業は「読む」と「書く」を同時にやってると思う。
なので、これを毎日やっているのは訓練でもあって、ツラくて、楽しい。
本文引用「うまい文章、流暢な言葉は、見た目にはよい。だがそれは、画に描いた餅のようなもので、けっして食べられない。いまいだけの文章は、倒れた者を再び立ち上がらせるのにあまりにも無力なのである」
AIの書く文章って画に描いたものなんだと思う。
そして、ちょっと前に、今、とても売れている方の文章の書き方みたいなベストセラーを読んで、どうも違うんじゃないかな?と思ったことがあった。
その違和感もたぶんこれ。
そして、「贈り物」はすでに手の中にあるものだと思う。
これを読んでいる、これを書いている、というこの状態がすでに贈与されているもので、でも、それをまたこうして贈与していくしか「お返し」することができないもの、なんだというのがたぶん、レヴィナスの話なんだろうなと思いだした。
さらに、若松さんはこの本のなかで「言葉」と「コトバ」を区別して使っていらっしゃるけれど、占いやオカルト、スピリチュアルに興味があるので、こんな事も印象にのこったの引用します。
「錬金術とは、「コトバ」を用いて私たちが日ごと言語で考えている以上の何かを生む行為である、といえるのかもしれない」
とても優しい、けれど、本当に大切なことがここにある、という本。
強くおすすめ。
『増補版 言葉の贈り物』
