
くりーむ
@cream
2026年9月29日

愛・セックス・結婚の哲学
R・ハルワニ,
岡本慎平,
江口聡
まだ読んでる
第 1 章のテーマはロマンティックラブです。ロマンティックラブがなんであるか、という問いは、この章では扱われず、代わりに「恋愛の重要な特徴をリストにし(中略)そのどれかが恋愛に本質的であるかどうかということを探求する」という方法をとります。
まずハルワニは、生物的な現象や社会的構築としてロマンティックラブを理解するやり方に触れ、それらが不満足なものであることを確認し、情動・或いはそのサブカテゴリーである欲求として、ロマンティックラブを理解するやり方を提案します。
その方法のもとで、ロマンティックラブの2つの形を導入します:
☆ RL1 ... 他方に比べて情熱的で性的なもの
☆ RL2 ... 他方に比べて愛情や友愛にかかわるもの
RL2 には、「おたがいの間での情動的な親密さや愛情や、いっしょにいたいという欲求や、人生の残りをいっしょにすごしたいと欲求すること」(p25) が含まれており、また、本書では RL2 のなかでも特に「うまくいっている」ケースを指すものとして理解します。
これらの区別に関連して重要な考察は、「愛と理由」にまつわるものです。つまり、本章が最大の注意を払う問題は次のものです:
なぜ人物 x は 人物 y を愛するのか?。
もしその理由が y の性質に由来するなら、同じ性質をもつ z を、 x が愛さないのはなぜか?。
ここから、対立する2つの説、「愛の理由説」 / 「愛の無理由説」 が提出されます。
前者は、愛する対象 y の性質に由来して、愛する者 x が y を愛するのだ、という考え方であり、後者は、 y の性質に依らずに x は y を愛するのだ、という考え方です。
ハルワニは、以上の対立する2説が、それぞれ、RL2 と RL1 に対応するようにみえるということを議論します。
そのあらましはこうです:
理由説からみます。理由説最大の問題は、ある性質の故に、 x が y を愛するなら、同じ性質をもつ z のことを x が愛さないのはどうしてか?というものです。これに対する回答は、「まず、 x が y を愛する理由は、x の y に対するコミットメントによる。そしてそのコミットメントを基礎づけているのは、2人の間の歴史である」ということになります。
したがって、このような議論は、RL2 についてよく振る舞います。
なお、ここでのコミットメントは大まかに、2つのものからなります。
まず1つ目は、「因果的なもの」であり、たとえば、《相手がいてハッピーだ》とか《関係をだめにするような性質がない》とかそういった事実です。
2つ目は、「愛するとはなにかという観念的なもの」であり、たとえば、《傾注やケアや配慮関心や自己犠牲の対象にすること》です。
一方の RL1 には、無理由説が適します。それは、ごく煎じ詰めて言えば、恋に落ちることに理由はなく、現に、同じような性質をもつ別のひとがいたら、そのひとと恋に落ちていただろう、ということです。
以上を見てみると、なかなか、納得感のある結論なのではないかなあとおもいます。途中の議論はかなり紆余曲折しているのですが。
