
M市のR氏
@aoi-honmimi
2026年9月27日
ロブスター
篠田節子
読み終わった
《ファイアーヒル》と呼ばれる、世界最高気温を記録したオーストラリアの砂漠の鉱山で過酷な労働を強いられている日本人がいると情報提供を受けたネットライターの寿美佳のもとに、アメリカから逃亡し、政治犯として鉱山で強制労働させられている夫を救出してほしいという依頼が彼の妻から届く。
高額な報酬とジャーナリストとしての地位を確立するための野心を掲げ、寿美佳は灼熱の砂漠に足を踏み入れる。しかし、そこでは彼女のこれまでの価値観や先入観が静かに揺さぶられる。
世の中の当たり前という不確かなものが通用しない極限の場所で、寿美佳は次第に、外から与えられたものではなく、体から湧き上がる根源的な「喜び」を自覚する。そこからの彼女の選択は、現状に流された思考停止や現実逃避のように見えなくもない。しかし、彼女も見つけてしまったのだ。本当の自由と個人の幸福が与えられる、天国のような地獄を。
