白玉庵 "まぬけなこよみ" 2026年9月29日

白玉庵
白玉庵
@shfttg
2026年9月29日
まぬけなこよみ
まぬけなこよみ
津村記久子
歳時記的なものってなかなか大変だよね…と思いながら読了。すごく筆がのっているところも、苦しそうに書いているところもあった。あ、これはあの作品に繋がってるな、というところもちらほら見えて、もっと津村作品を読んでいる人ならもっと楽しかっただろう。2017年の時点で、一緒に暮らすならヨウムって書いてありました。 いうなれば、心地よい夢想の原材料こそが、使用されない手芸材料なのである。作ることはすばらしい。しかし、作らないこともまた、心の糧になるのである。だから、身の程を超越した手芸材料を買ってしまう人間は跡を絶たず、わたしもその一人なのだ。 p265 手芸副資材は買ってなんぼ、すっかり存在を忘れた頃にぴったりあうパーツがお道具箱から現れる悦びよ。「サンキューあのときこれを買った自分」と感謝しながらいそいそと使う。 わたしは、突き詰めると、人間の中の世界が通り抜けていく場所、そうして捕まえた光のようなものを記憶して撹拌し、反射する場所を心というのではないかと思う。 p280 イゴール・アントンという自転車選手のことを全く知らないけれど、この文章が本当によかったなぁ。この文自体が光っている。 あとは北陸出身の人が、あちらには東京で見るようなものとは全く違う巨大なミミズがいて、夜、不用意に農道を自転車で走ると遭遇して腰を抜かすと話していたのを10年ぶりくらいに思い出し、絶対に北陸で夜に農道を自転車で走らないようにしようと改めて決意した。
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