
さくら🌸
@lily_sakura_
2026年9月29日
縁を結うひと
深沢潮
読み終わった
在日同士の「お見合いおばさん」こと福の話、そして彼女が繋いだ縁とその延長線上にある人々の話。
同胞同士であっても、その中でうまれる格差。日本という国で、日本人でも朝鮮人でも韓国人でもないという点でアイデンティティが不確定なことが、生きていく上で常について回る。生まれた瞬間から選択肢を奪われた状態でいる。同じ日本人が過去に彼らに強いたことが、そんな理不尽を未だに感じさせてしまっていることを恥じずにはいられない。解説にて柚木麻子さんが「在日コリアンたちが抱えるそれぞれの複雑な背景を無視して、文化のみを美味しくすくいとってしまう、私を含む多くの日本人の無自覚な暴力性」(p.370)と表現されていたが、まさにそれを、この連作短編集からひりひりと感じた。
中学生の頃、自分が在日であることを告白してくれた友人がいた。私は彼女に何と言っただろうか。幼く、無知な私は単純に他の「ハーフ」と同じ存在ととらえ、浅慮にも憧憬の眼差しを向けたのではないだろうか。そんな私の反応に、彼女はどんな顔をしていただろう。思い出せない。
過去の日本人がしたことであると無関係に徹するのではなく、かと言って全てを背負うこともなく、ただ忘れないでいようと思った。愚かな過去を、今の子ども達が生きる未来で絶対に起こらないように、覚えておこうと強く思った。