村崎 "小説トリッパー 2026年秋..." 2026年9月30日

村崎
@mrskntk
2026年9月30日
小説トリッパー 2026年秋季号
中西智佐乃「配膳」 読み進めるのがほんとうにつらい小説だった、内容が容赦なくて…… 老夫婦と息子(30〜40代?)の3人暮らしの家に、とつぜん誘拐されてきた高校生の真帆。この家では息子が権力を持っていて、息子がなぜさらってきたのかもわからない、わからなくて混乱するまま言いなりになって夫婦も真帆を監禁してしまう。暴力表現もひたすら内にこもっていくような表現も、ただひたすらしんどい。 それでなにが怖いってこの作品のタイトルが「配膳」ということです、配膳は、真帆への食事を用意して部屋まで持っていく母親を指してはいるんですが、配膳という行為以外に衝撃的なことが起こりすぎていて、でも「配膳」という一語でこの小説を名付けた意味というのも、考えてしまう。 男性と女性の権力勾配というか力関係があまりに顕著に書かれていて、そういったことも「配膳」に包括されていたりするのかな、と思う。指示されてご飯作ってそれを運ぶ「役割」、配膳する側もされる側も無力、だいぶ体力を持っていかれた そしてこの小説、死にたくなるんですけど、作中たぶん「死にたい」的な感情が出てこない、意図していたかはわからないけどそれが本当に目の前のことだけしか考えられない人間の限界を感じてそれもとてもしんどかった、死にたいと考えるのもある種能動的ということなのかな… ほかの人がどう読んだのかめっちゃ気になるけど、安易にすすめられないもどかしさ……
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