
きらた
@kirata
2026年10月1日
雨上がり月霞む夜
西條奈加
読み終わった
西條奈加作品をもう少し読もうとして手に取った作品(表紙のウサギでホイホイされた)
〈『雨月物語』をモチーフにした作品〉との事だったので、『雨月物語』(円城塔·訳)を読んだ後に読みました
結論
『雨月物語』を読んでから本作を読もうとした自分を褒めたいです(ૢ˃ꌂ˂⁎)
勿論『雨月物語』を未読でも楽しめたと思うのですが、話の厚みがめちゃ変わる‥!
そして改めて『雨月物語』を読み返したくなる‥!
※私は1話毎に読み返してました
本作は雨月物語をリブートしてミステリ風味も混ぜ込んだ雨月物語誕生秘話って感じでしょうか
ある夜、雨月が出会ったのは、兎の姿のいにしえの妖し
遊戯と名乗るその妖しは、遺っているかも知れない仲間を探す旅の途中だと言う
百年探し歩いているがまだ誰も‥と肩を落とす遊戯に、雨月は暫く自分の元で休んでいくよう勧めた
そんな雨月の元には、火事で家を失った秋成が居候をしている
死者や妖しと交流出来る雨月とは異なり、幽霊の類は信じない秋成
しかし、遊戯との出会いをきっかけに様々な変事に巻き込まれていく
親子や夫婦、親友や恋人、大切な誰かへの思い
人の情念や執着によって生み出された怪異を廻る9つの物語
好対照な幼馴染2人と毒舌兎の妖しが辿り着く真実とは──?
特筆すべきは遊戯の存在
雨月には“さま”を付けて呼び敬意を払っているのに対し、秋成への態度は見下しながらの毒舌三昧
ころりと変わる態度に悪気はなく、寧ろ清々しいくらいなので、読んでいて笑うと言うか、微笑ましさを感じる
言いたい放題の兄弟のような、とでも言えば近しいかも知れない
そして、時折遊戯と雨月が密やかに交わす会話
雨月にはある目的がある
その目的とは何なのか?
遊戯は雨月の目的を知り協力をしているようだが‥
ほんのりと怖く哀しく、優しくて切ない真相は、秋成に何を齎すのか?
──遊戯は今も見守り続けているのだろうか
静かな文章でしっとりとした世界が綴られた素敵な作品でした