
Miyoshi
@dog
2026年10月1日
溺れる少女
ケイトリン・R・キアナン,
鯨井久志
読み終わった
画家兼小説家のインプは、母と祖母から受け継いだ狂気の記憶を抱えながら、恋人のアバリンと暮らしている。ある夜、彼女は道端で裸の女性エヴァと出会う。その邂逅をきっかけに、幼いころに見た絵画『溺れる少女』や、人魚、人狼、怪談、都市伝説などがインプの記憶のなかで複雑に絡み合っていく。エヴァとの出会いは本当に起きたことなのか、それとも記憶が作り出した物語なのか。
こんなにあらすじをまとめにくい小説もそうそうない。
読んだ端から事実と虚構、現実と妄想の境界が揺らいでいく。何が本当か読者にはわからないし、主人公自身もわかっていない。
統合失調症の薬をある拍子に飲まなくなるのだが、そこから続く景色が地獄のようだった。麻薬をやったときの模擬映像のテキスト版、という感じ。読んでてひどく酔ってしまい、読了までかなりかかった。それなのに最後には救いがあり、それもとてもこの本らしい幸せの形で、読んでよかったとは思えないけど大きな達成感があった。
