
こがゆうか
@yuka-koga
2025年4月12日

ティファニーで朝食を
トルーマン・カポーティ,
村上春樹
読み終わった
【メモ】
・カポーティ「ティファニーで朝食を」読んだ。この新潮文庫版は表題の中編+短編の構成だったことに読み終わってから気がついた。
・まず思い出したのはナオミのこと。これは当然谷崎の「痴人の愛」。そして、岡崎京子の「pink」。つまりわたしの好きなタイプの女だということですね。
・あと「アルティスト」でジルベールが前のレストランで出会ったリネン室の女の子のことも。
・彼女たちはなんでいつもかわいくうつくしく奔放で嘘つきなんだろう。そういう子がわたしは大好き。
・解説で村上春樹が言っていたように、語り手の僕はホリーが現在どこにいるかを知りたがっていないように思う。理由も同じく。
・「ホリーの身にも同じようなことが起こっていればいいのだがと、僕は思う。そこがアフリカの掘っ立て小屋であれ、なんであれ。」
・切って落としたような幕引きだったからページを捲ったり戻したりしちゃったよ。
・たしかに、このホリー・ゴライトリーとオードリーはあんまり結びつかない。映画を全然みないので知らんが、オードリーにはなんとなく品と整然とした気配を感じている。ホリーは品についてはともかく、整った感じは一切ないものな。
・そもそもわたしは映画版のティファニーを観てないが、わりと違う筋なんだろうな。ていうかティファニーで実際に朝食をとるシーンはないんだね。
・想像していたよりかなしみに満ち満ちた内容だったから読みながらシーンとしちゃった。
・そしてこの手の子たちはなんで最後にはどこかにいっちゃうんだろうな。
・それにしても語り手の方のフレッドはなんで高級鳥籠なんて欲しがったんだろう。
→欲しがった理由は書いてなかったけど、序盤の方で偽フレッドが高級レストランでホリーを見かけた帰りに立ち寄った骨董屋でこの鳥籠を見つけてた。
・そして最後の方に出てきた太った女はなに?ていうか本当の人物としては出てきてないよね…?え?ホリーの中にしかいないはず…無能。理解できてないだけです。無能のために再読という行為がある。
・そしてそして、ホリーはあんなに兄と会いたがっていたのにどうして会うことができなかったんだろう。普通に徴兵されていたから?まあそれはそうか。兄を残してなぜ内縁の夫の家を出てしまったんだろうか。
・思い返せばジョー・ベルはホリーに恋していたからリムジンも呼んでくれたんだなあ。すごく控えめな恋だ。
・むしろ偽フレッド(兄と区別するため便宜上)はホリーに対して純粋な恋心とは違う感情を抱いていたような気もする。友情混じり、親愛混じり、家族愛混じりというか。喧嘩もできる仲だもん。
・タイトルに入っているというのもあるだろうけど、ティファニーがかなり印象的な場所に感じられた。ただの宝飾店というのじゃなくて、何か概念的なティファニーという場所について喋ってる感じ。
・名刺や郵便受けに「旅行中」って書いてるのがかわいい。住所不定のいちばんかわいい言い方だ。わたしもそうしようかな。
・ホリーは自分が気持ちよく過ごすために一切悪びれずにぽんぽん嘘をつく。そこが子供みたいで無垢に感じられる。
・タクシー代をもらうってのは分かるけど、化粧室に行くたびに50ドルくれるっていうのはなに?お手洗い有料だっけ?シド・アーバックが20セントしかくれなかったことを捨て台詞にしてたからそうかも。
→ヨーロッパは基本有料だった。えそうだったっけ?伊達男はお小遣いをあげなきゃいけない場面が多くて大変だな。
・O・J・バーマン「彼女は本物のまやかしだからね」
・ホリーは何も知らずにトマトおじさんに付き合っていたのかどうか。そんなことはない気がするな。実際この子の言うように「その人がどんな風に私を扱ってくれたかで、私は人の価値を測るの」ってことな気がする。憧れる生き方だけど、なかなかそういうふうにはできないな。
・あと「女たるもの、口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかないもの」にはじーんと感じ入った。やっぱりこういう女の子は最高さー。サングラスまでかけちゃってさ。
・病室のシーンでなんとなく「聖少女」を思い出した。