汐入 "巨匠に学ぶ 構図の基本" 2026年10月3日

汐入
汐入
@yogishaninotte
2026年10月3日
巨匠に学ぶ 構図の基本
基本的には構図の効果について都度納得できたのだけれど、画面の右に配置するか左に配置するかについて、「私たちが横書きで文字を書くときは、左端に書き始めを置いて右で止めます。右から左へ進めると奇妙な気持ちになります」「右受けを正とするのは身体の構造とシンクロしているのです」と言い出し、さすがにそれはアラビア語と左利きに喧嘩売ってるだろと思った。 入門として大変勉強になったというのは前提として、この本には上記の記述を中心とした問題が2点あると思っている。 1 「構図の基本」という二次元視覚芸術に普遍的に適用できるものに思わせるタイトルを冠しながら、例に挙げられているのは西洋絵画(一部ルネサンス、印象派を中心とした近代絵画が圧倒的に多い)と何点かの日本の作品(北斎、夢二、黒田清輝)なので、かなり西洋偏重になっている。そもそも東洋芸術が視野に入っていたら↑みたいなこと言わないでしょ。 2 構図から生まれる視覚効果というものは無視できないものであるし、私もその効果を完全に否定するつもりはないけれども、果たしてその効果は普遍的なものなのか、という疑問。見るという行為に身体性が伴うのならば、人によって印象は変わらざるを得ないし、時に社会的文化的バックグラウンドでも変わるだろう。本書は哲学書ではないので、この観点を深掘りする必要はないと思うけれど、やっぱり↑の記述でこの点について何も考えていないことが露呈してしまったところはある。 絵を分析する力はあっても、なんも考えてない奴が書いた本なんだな〜というしらけた気持ちにはなりました。でも勉強になったのも本当。
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