トロ "先生と罪" 2026年10月4日

トロ
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@tontrochan
2026年10月4日
先生と罪
先生と罪
くわがきあゆ
起承転結の転がまさに「煽り運転」を題材した本作らしく疾走感が凄かったです。 それで、読み終わった感想としては、登場人物全員イカれてやがるなって事でした。 読者の思い込みを利用した叙述が印象的な作品でした。特に、冒頭の煽り運転の描写を、同僚を死に追いやった犯人の視点だと思い込んでいたところ、実際にはハンドルを握ると人が変わる(煽り運転してしまう)主人公のものだったという仕掛けは、読者の認識を揺さぶる構成として成功していると思います。出てくる人間のほとんどが運転技術は悪くないのに操縦神経に難があり、煽り運転関係の罪を犯しており、先生である。タイトルのまんまでした。 一方で、前作『レモンと殺人鬼』を読んでいたこともあり、叙述の仕掛けについてはある程度法則性というか、作者の方の癖が印象的だったので警戒していたため、驚きそのものは限定的でした。 また、情報が小出しにされることで、登場人物の異常性が、見方によっては善意や常識のように受け取れてしまう点も興味深かったです。主人公自身の二面性も、その認識のずれを生む仕掛けとして機能していたと感じます。 ただ、煽り運転をする人間の浅慮さを理解できない主人公が、なぜ自ら煽り運転をするのかという点には、疑問が残りました。高潔な精神を持ってるからと言って煽り運転をするような人間性で言えば、運転に縁が無く、且つ煽り運転は悪であると考える私には理解できませんでした。 結末についても、余韻を残す意図は理解できますが、主人公があの学校から異動できたのか、庄司との関係はどうなったのかなど、その後が気になります。仕掛けの巧みさは評価しつつも、物語としてもう少し詳らかにしてほしかった部分もある作品でした。 中学校の教育委員会があんなに腐敗してたらやだなあ。。
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