さつき@コメント大歓迎 "ゾンビ回収婦" 2026年10月4日

ゾンビ回収婦
ゾンビ回収婦
小砂川チト
難しかったけれど、考えがいがあって、面白く読めました。 AIやVRをモチーフにしていながら、描かれているものはすごく人間的な話でしたね。 主人公はいわゆる器用貧乏な人で、だからこそ可愛げがなく、愛されないと感じている。 その「器用さ」は私とはむしろ真逆な気がするのですが、その先にあるものは、不思議と私にも似ているんですよね。 自分らしくありたい。けれど、そのままでは愛されない。 だから自分を押し込めてでも愛されようとするのに、それがかえって「愛されること」から遠ざかっているように見える。 主人公を見ていると、「そんなに一生懸命にならなくてもいいのに」「努力する方向が違うのに」と思うのですが、俯瞰してみれば、私自身にも似たところがある。 そういう、自分自身の不器用さに気づかされた気がしました。 少し時間を空けて、再読してみたいと思える小説でした。 ↓以下ネタバレ 愛されたい、認められたいという承認欲求に駆られながら、人間らしさ(不器用さ)とAIらしい振る舞い(役割を遂行する真面目さ)の間で揺れていた主人公。 最後には、行動そのものは変わらなかったけれど、その行動原理は変わったのかな、と思いました。 もともとは、嫌われないように、注意されないように、言われたことを真面目に遂行していた。 けれど最後には、「必要とされているからこそ、期待されているからこそ、注意されていた」と気づいたのかな、と。 だから、同じように役割を遂行することを選んでも、それはもう「嫌われないため」だけではなくなったのかもしれません。 まだうまく言語化できないのですが、何かしらのしがらみから抜け出したような感じがしました。
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