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@FELTz75
2026年10月5日

死んだ山田と教室
金子玲介
読み終わった
audible
本作と、違う作品しかも映画のわりと核心的なネタバレをも含みます。
「片思い世界」という、広瀬すず・杉咲花・清原果耶トリプル主演の映画がありまして。
タイトルとキャスト的に恋愛映画だと思いきや、主テーマは全く違って、死んでしまった人と気持ちを通わせることだったりする。
映画では生者と死者は同じ世界にいるようでレイヤーが異なり、互いに直接関わることはできない。死者は生者には見えず、死者には生者が見える。死者はわりと自由にいろんなところに行けるし、死者同士で生活している。その分、死者の生活にはなんだかリアリティがない。
本作の山田もある意味似た境遇だが、存在のレイヤーが違う。生者と死者なのに、教室でだけはその世界が重なっている。
山田は生者と話をすることができる。生者の話を聞くこともできる。結果、会話もできる。でも、教室からは動けない。
どっちもつらいなぁ…。
でもどちらも、生者は死者が生きていた頃に成したことをよすがに、自分の生を生きようという希望をもつ。
死んでから時が経ったときに、ようやく受け取れた気持ちにより、そこからの人生が変わっていく。
違うのは、死者の行く末。結局山田は、生者からなんらかの希望を受け取れたのだろうか。気持ちを通わせたのだろうか。
映画の死者は、重ならない世界で、現実感はないが美しい生活を続けるのだろう。
生者と気持ちが通じた、という確かな実感をもって、生前に生きていた場所を離れていく。
そこには確かに希望があった。
山田のほうがつらいじゃんねぇ…。
まとめると、話せるから/近くに存在を感じるからといってそれだけど気持ちが通じるということではないが、離れてしまった人の生きた証とふれあうことで時を超えて気持ちが通じ合うことはありえるのだ、という感じでしょうか。
とりあえず、映画冒頭の3人の美しい生活シーンは永遠に見ていたくなるし、合唱がいい曲なので、そっちもおすすめです。

