かもめ通信 "パレスチナの羊飼い" 2026年10月5日

かもめ通信
かもめ通信
@kamome
2026年10月5日
パレスチナの羊飼い
パレスチナの羊飼い
アン・ローレル・カーター,
櫛田理絵
パレスチナ人の羊飼いの少女の視点から、パレスチナ人とイスラエル人の間の紛争と社会の問題を描いたYA小説。どんな状況にあっても、大切なもののためにひたむきに生きるようとする少女の奮闘が読者の胸を打つ。 作者は若い頃からイスラエルをたびたび訪れてきたというカナダ人で、パレスチナの人々の話も聞いてみたいと、2005年からパレスチナ人家庭に滞在しながら、約3年をかけてこの作品を書きあげたのだという。 そのため本作も入植者たちの非情な行動に悲鳴をあげ、憤りを抱えながらも、「共生」の道をさぐる姿勢で描かれている。 それゆえ読者によっては生ぬるいと感じる向きもあるかと思うが、少女の未来に期待をもち、かすかであっても希望を感じさせるラストに、YAらしい余韻を感じてホッとしもする。 もっとも私たち大人は、子どもたちに未来を託してばかりではいられないとも思いはするが…。
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