
つう
@mot2tom
2026年10月5日

両京十五日2 天命
泊功,
馬伯庸,
齊藤正高
読み終わった
前編が面白かったので読んだ。主人公側だけでなく悪党の背景も丁寧に描かれているので、全員に感情移入ができる。長編小説の醍醐味。戦国七雄や三国志あたりの物語はよく目にするが、明王朝も面白いかも。
本物が描かれている。本物の友情、本物の愛、本物の信仰、本物の幸せ。そういった本物性は一見薄っぺらく感じるもので、読み終わった直後は、友情・努力・勝利、はあ、少年漫画ですかといった感想だった。しかし思い返してみれば、命よりも重く永遠を目指す瞬間的な熱を帯びたそれらは、何よりも本物に違いないと、小波のような感動が打ち寄せて来る。
我々現代人は終わりを前提としている。始める前から終わった時のことを考えるし、命ないしちょっとした快を守るためにしばしば自ら終わらせる。在るべき大人の姿だと言わんばかり。私はそういったハリボテで演技的な熱に飽きてしまった。と言うよりも、初めから面白くはなく、周りの空気を察して順応していたに過ぎない。誰だってそうなのではないか。このまま偽物の中で偽物をやっていくくらいなら、孤独に或いは愛すべき馬鹿どもと本物をやって行こうと、この作品は思わせてくれる。

