
Suzuki
@finto__
2025年4月11日

おれに聞くの?
山下澄人
読み終わった
★★★☆☆
「肯定も否定もくそもない。あなたはあなたで完璧だしわたしはわたしで完璧なのです。いやしかし「わたし」は想定より遅れている(もしくは外れている)しあの者より劣る、かつて「わたし」の親が思い描いていたものとは違う、だとかいうのでしょうがわたしたちは比べようのないものです。それは考え方の違いとかいうものではなく厳然たる事実です。ましてや「かつて」の「他者(親)」の「気持ち」などというあるのかないのかわからないものとなど並ぶことも不可能だ。今流れた流れ星の速度とお茶が美味しいと思う「わたし」と気分はどちらが重たいかとでも聞く方がましだ。群れる生きものなので群れのためにそうした他との違いは群れの維持のために必要とされるのでしょうが、仕組みがわかればそのことで得をするやつがいるだけのことで、あなたやわたしには関係がない。あなたが何か群れの監視者ならまた別でしょうが。あなたのいう「わたし」はあなたが絶対唯一無比で、わたしがいう「わたし」はわたしが絶対唯一無比です。絶対唯一無比のあなたが絶対唯一無比のわたしに質問をしているわけです。星と星が話すようなものです。そんなところに自己肯定感などというちんけな言葉の入ってくる余白はない。」p38-39
